医師の海外留学には、どのくらいの準備金や生活費が必要になるのでしょうか。今回の記事では医学留学の費用の目安と資金調達の方法についてご紹介します。
医師の海外留学の準備金としては、100万円~300万という金額が相場のようです。留学の目的や留学期間、どこの国に住むのかなどによっても相場が異なります。また、同じ国でもその国の都市部と田舎のどちらに住むかによって、年間にかかる生活費に大きな差が出ます。よって、一概にこの金額とは言えませんが、毎月の生活費は10万~30万円程度が一般的なようです。臨床研修留学の場合、5〜6万前後の給与が支払われるため、生活費分の準備はそれほど必要ないと言えます。一方、研究留学では無給のケースも少なくありません。そうなると事前の資金準備はかなり必要になると思います。
■補助金・奨学金
補助金制度を活用するのも一つの手です。さまざまな財団や病院で医師留学を支援する制度があります。ただし、採用枠が限られているため資金調達の方法としてハードルは高いです。また、一般の海外留学奨学金制度は、推薦状が必要なケースが多く、年齢制限や勤務条件なども指定されることが多いです。
■クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、自身が持っているアイデアやプロジェクトに共感する人々から、インターネットを通じて世界中から支援してもらう方法です。資金調達の新しい方法として、最近世間では注目を集めています。一人の提供した資金額がワンコインでも、大勢から少しずつ集まれば何十万、何百万になります。クラウドファンディングで医師留学を目指すというのはかなり稀なケースではありますが、何か大きな社会的目的を持って医学留学を望んでいる場合には、挑戦してみると良いかもしれません。
■僻地勤務
「離島では都市に比べて食住費がかなり安く済むため、貯金できた」というケースがあるようです。遊ぶ場所もないため、勉強に集中できるというメリットもあります。厚生労働省は医師の地域偏在という問題を重要視しており、「医師不足地域の診療所など、若手研修医や病院勤務医らの経験を評価する」と明文化しています。待遇の悪い地域もあったり、忙しすぎて留学準備もできないというような可能性もあるので注意は必要ですが、留学資金作りと社会貢献という視点から僻地勤務を検討してみても良いかもしれません。
■非常勤勤務
医師留学のための資金のつくりかたとして、非常勤勤務を活用して収入を増やすというのが最も現実的によくある方法なのではないかと思います。非常勤医師の時給の相場は1万円前後といわれており、常勤と掛け持ちすればかなりの収入増になると思います。
医師は一般的に収入が高いといわれる職業ではありますが、準備金100万円~300万円に加えて毎月の生活費も必要となると、誰もがすぐ用意できるような額ではないと思います。その後のライフイベントで必要になるお金についても検討し、余裕を持って資金を準備しておくと留学経験が実りあるものとなるのではないでしょうか。