一般社団法人日本循環器学会認定の循環器専門医とは、医師免許を持ち、日本循環器学会の認定施設で所定の期間研修を行い、診療実績表などの必要書類を提出後、循環器学会専門医試験(筆記試験)を合格した者が「認定循環器専門医」となります。
2017年度より新専門医制度となりました。そのため認定施設でも専門医研修整備基準と循環器研修医カリキュラムが見直されています。詳しくは学会のホームページからダウンロード可能となっているため、ご一読ください。新専門医制度へ移行されていますが、研修の制度はプログラム制ではなく従来の「カリキュラム制」を採用しています。研修期間に関しては、内科専門医研修と最大2年間までは循環器研修の重複が認められています。そのため、医師となり最短で7年で循環器専門医の資格の取得が可能です。
異なる点としては「更新に関する点」で、以前は学会が認定した学術集会や地方会への参加が単位として認められていましたが、新制度では日本専門医機構が認定した活動を5年間での合計単位として更新要件とする点が大きく変更となっています。更新制度に関しての内容も今後検討されていく見通しとなっています。
日本国の医師免許を持ち、受験年度の4月1日現在、認定内科医、総合内科専門医、外科学会認定登録医、外科専門医、小児科専門医のいずれかの資格を取得している必要があります。また、臨床経験が満6年以上、及び日本循環器学会の正会員で、通算して6年以上の正会員歴を有する事も必要です。特記事項として臨床経験歴の6年のうち3年は日本循環器学会指定の研修施設で研修を受けていなければなりません。また、救急救命の知識、技術も必要とされるため、AHA(American Heart Association)が主催するプロバイダーの有効な認定を受けていることも条件となっています。
他にも年会費の完納や試験の合格後に専門医名簿への同意も要綱に含まれています。循環器学会特有の条件として、喫煙が冠危険因子であることを認識し、自身の禁煙と禁煙の啓発活動も学会のホームページには受験資格として記載があります。
申請には次の書類が必要となります。
①循環器専門医資格認定審査申請書
②診療実績表(受け持ち入院患者一覧、研修記録、手術所見、外科手術記録、部検記録)
③研修施設在籍証明証
④循環器専門医カリキュラム達成度評価表
⑤基本領域の資格証書のコピー
⑥AHA主催のプロバイダー資格
各種申請書は学会ホームページ上で作成できるもの、またはダウンロードし記載するものがあります。診療実績提出の注意点として個人が特定される情報には「必ずマスキング」するようにとされています(されていない場合はそれだけで不合格になることがある)ので必ずマスキングしましょう。他注意点など詳細については学会の申請書作成の手引き等をご参考お願い致します。
申請書作成の手引き
http://www.j-circ.or.jp/information/senmoni/2018shikaku_nintei.htm
書類審査料20000円を払い込み用紙で支払います。試験の合格後に専門医認定の申請が必要で、その際の認定料として30000円を学会に納入します。
筆記試験の出題形式は多選択式で、解答形式はマークシートとなっています。試験問題は日本循環器学会専門医研修医カリキュラムに基づいて作成されています。試験問題の一部も学会のホームページで解説が公開されているので、ご参照ください。同様に1993年~2018年までの期間のトレーニング問題も提示されています。
専門医認定の更新は5年に1度更新されます。更新するためには5年間で必修研修単位を含む50単位を取得しなければなりません。単位加算については学会のホームページに所定の単位表(対象学会や論文掲載)などの詳細が記載されています。資格取得の際と同様に受験資格として必要であった基本領域の資格(認定内科医、総合内科専門医、外科学会認定登録医、外科専門医、小児科専門医)を更新の際に有していることも条件です。会費や認定の更新料では、更新年度までの学会費、及び認定の際に更新料として30,000円を学会に納入する必要があります。
※認定の申請方法については循環器専門医認定更新のご案内のページにある
「認定更新Web申請URL」に分かりやすく記載されています。
認定更新Web申請URL
http://www.j-circ.or.jp/information/senmoni/web_shinsei.htm
一般社団法人 日本循環器学会
申請書作成の手引き
認定更新Web申請URL
※本記事は2018年10月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。