一般社団法人日本外科学会認定の外科専門医を取得するためには、日本外科学会指定の「外科専門制度修練施設」において卒後初期臨床研修期間を含む「通算5年以上」の修練を積む必要があります。試験に関しては段階的に行われ、修練4年以上で予備試験(筆記試験)、予備試験合格後に最低手術症例数の提出、最後に認定試験となる面接試験を合格することで「外科専門医」を取得できます。
外科専門医は消化器外科や心臓血管外科、小児外科など様々な分野の基盤となる資格で、他にもがん治療や低侵襲手術の研究など活躍の分野は多方面にわたります。
今回は外科専門医の取得方法について解説していきたいと思います。
外科科専門医の受験者数は予備試験(筆記試験)に関して平成30年度では受験者数は1001名、合格者数823名、不合格者数178名で合格率は82.9%となっています。筆記試験の合格率に関しては80%程度の合格率を目安に合否が判定されています。
また予備試験に合格した場合、面接試験を受験することが可能です。
平成30年度の面接試験に関しては受験者数817名で合格者数は817名と全員が合格しています。
日本の医師国家試験に合格し日本外科学会に「修練開始登録」を行なうことで、修練経験に必要な修練医の資格を得ることができます。
修練医の期間に各科をローテンションし、日本外科学会指定の「外科専門制度修練施設」において卒後初期臨床研修期間を含む「通算5年以上」の修練を積む必要があり、修練実施計画を修了した証明書が必要となります。
また受験時には学会員であり、日本の医師免許を保有していることが条件となっています。
加えて学会規定の診療経験および業績を有する事も条件に含められています。
外科専門医を受験するには、まずは予備試験に合格する必要があります。
予備試験に必要な申請は全て学会ホームページを介して申請専用ページより申請します。
修練内容に関しては学会の定める最低手術経験数350例に規定の条件を満たしておく必要があります。業績に必要な単位数は20単位とされており、研究発表や論文発表を申請し取得することが可能となっています。
筆記試験である予備試験を受験する際には受験料として10,000円が必要で、認定試験(面接試験)には受験料として20,000円を納入しなければなりません。
合格後の認定料に関しては40,000円を学会に納入することで「外科専門医」として登録されます。
予備試験(筆記試験)は「外科専門医カリキュラム」の到達目標について多肢選択式問題によって出題されます。計100題で80%程度の合格率を目標に行われますが、全分野共に一定以上の正答率であることが合格条件の一つとされています。
認定試験に関しては外科専門医のカリキュラムにある到達目標および診療経験と業績について問われる内容とされています。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新しなければなりません。更新の際には日本での医師免許を有していることおよび外科学会員である必要があります。
更新申請に関しては学会ホームページ上から申請が可能で、学会指定の学術集会などに参加し合計で30単位以上(日本外科学会的学術集会に必ず1度は参加)しておかなければなりません。
更新申請の審査料として10,000円、認定料として別途10,000円の入金が必要です。
※本記事は2019年1月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。