公益社団法人日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医を取得するためには、学会員で医師免許を持ち、皮膚科学会規定の研修施設において一定期間の研修を経て皮膚科専門医認定試験に合格し、初めて「皮膚科専門医」と認定されます。
皮膚科専門医の登録数ですが、学会の皮膚科専門医MAPによると現在6841名の専門医が登録されています。専門医試験によって合格するのは毎年200名程度で平成26年度においては受験者数247名に対して、合格者数は191名で合格率は77.3%となっています。
日本での医師免許を有し、皮膚科の診療に携わっており受験時に日本皮膚科学会の正会員である必要があります。また、初期臨床研修2年の後、皮膚科研修プログラムに沿って、通算5年以上の皮膚科臨床研修の過程を修了し研修修了証を得ておかなければなりません。
加えて、認定前研修実績において、別に定める所定の単位を取得する事も条件となっています。
平成30年4月1日より一般社団法人日本専門医機構と連携し、新専門医制度が開始されているため、申請年度によって、具体的には2018年度以降に申請する場合は移行期間等含めて内容が変更されている可能性があるのでご注意ください。
専門医認定試験の申請に要する申請書類は、「専門医認定試験受験申請書」、「医師免許の写し」、「研修修了証明証」、「研修の記録」が必要となっています。
研修の終了証明の為には前実績として所定の単位数を取得しておく必要があります。単位の取得に関しては講習会の受講、学会発表、発表論文等について定められた150単位を取得する必要があります。各単位数に関しては学会ホームページ上に記載されていますのでご確認ください。
専門医試験を受験する際には書類審査料として20,000円(+消費税)、受験料として30,000円(+消費税)を支払う必要があります。また、合格後に専門医の認定を申請するには40,000円(+消費税)を別途納入します。
試験の内容は筆記試験と面接試験が行われます。
筆記試験関しては100題で選択問題と記述問題形式で出題されます。過去の筆記試験では診療ガイドラインや日本皮膚科学会主催研修講習会テキスト等からも出題されています。
面接試験に関しては、臨床時に必要な知識を問われる問題となっており皮膚科疾患や病態検査、治療法などが問われるようです。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新する必要があります。更新の際には日本での医師免許を有していること、皮膚科の診療に携わっており更新時に資格を取得して5年以上日本皮膚科学会の正会員である必要があります。平成28年度より専門医更新時には2.5年以上の皮膚科診療に従事していることの証明が必要で、方法は常勤、非常勤で異なるため学会ホームページを一読ください。
提出書類としては「専門医資格更新申請書」、「症例一覧提示」、「後実績記載表」、「勤務証明証」を提出しなければなりません。
後実績の単位は総単位数100単位で学会指定の研修集会への参加や学会発表、論文提出をすることで単位を取得することができます。
更新の際には審査料として30,000円(+消費税)を支払う必要があります。
更新制度に関しても2023年度以降更新される場合は新制度で「機構認定専門医」として更新登録されるため、取得単位数や基準が変更となりますのでご注意ください。
※本記事は2019年1月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。