公益社団法人日本整形外科学会認定の整形外科専門医とは、医師免許を持ち、日本整形外科学会の認定施設で所定の期間研修を行い、症例報告などの必要書類を提出後、整形外科学会専門医試験(筆記と口頭試問)を合格した者が「整形外科専門医」となります。
整形外科学会によると、専門医取得後は
(1)大学院研究コース(基礎研究や医学博士号の取得)
(2)サブスペシャリティー専門研修(脊椎外科、関節外科、スポーツ整形など)
(3)地域医療コース(開業など)
などの生涯研修を各人の希望によって実施し、より高度な知識や技術を学んでいきます。
一般的に総合的な整形外科研修期間は2~3年間です。この期間に整形外科医としての基礎が確立されます。また半年~1年間程度、病棟主治医を経験した後に外来診療に携わります。
最近の傾向としてはリハビリテーションやロコモーティブシンドロームなど術後のリハビリや予防医学にも携わる機会が増加しています。特に運動器の疾患では、整形外科医が主治医として関わるので、術後のリハビリの進行状況などもカンファレンスで多職種と議論していきます。開業する際も採算面でリハビリテーションを自施設で行えるように思案する整形外科医が増えています。
日本整形外科学会会員となり、認定施設で臨床研究を6年完了する必要があります。
ただし卒後初期研修2年間は日本整形外科学会に入会していなくても必要研修期間として申請が可能です。
したがって、初期研修終了後日本整形外科学会に入会すれば、4年後には受験資格を得ることができます。
注意点としては入会年月日に関わらず、「骨・軟部腫瘍特別研修会の受講3単位」は全ての方に必要です。
上記の受験資格に加えて審査申請資格は受験までに各修得すべき領域分野に求められている必要単位を全て満たしていること、及び研修期間中に日本整形外科学会が主催又は認定する教育研修会を受講し、所定の手続により30単位を修得している必要があります。整形外科学会ホームページから単位の証明ができない場合は別途に整形外科研修記録の提出が必要です。
また1回以上の学会発表か筆頭著者としての1編以上の論文、申請症例が必要となります。
書類審査料30000円、受験料50000円の合計80000円を申請書類送付から2週間以内に振り込む必要があります。
2部制で2日間に渡って試験は実施されます。平成30年度の場合では1日目に筆答試験(120問)、2日目に口頭試験が行われました。口頭試験は申請症例と「整形外科卒後症例Q&A」などから作成された4題、ビデオで実際の検査を見ながら行う2題の計6題をもとに口頭試験委員から質問される形式です。
専門医の更新では診療に従事している勤務実態や診療実績の証明、知識・技能が厳格であることを証明することが求められます。そのため①勤務実態の証明書(直近1年間)②診療実績の証明(症例一覧表100例)③更新単位の取得(50単位)を日本整形外科学会に提示する必要があります。取得年度によって単位数の制度が異なるため、詳細は学会のホームページをご確認ください。
※本記事は2018年9月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。