一般社団法人日本救急医学会認定の救急科専門医を取得するためには、日本国の医師免許を取得し申請時に規定年数以上学会員および臨床経験を有していることが要件に含まれています。また学会指定の専門医指定施設および条件に準ずる救急医療施設において救急部門の専従医として一定期間の修練を修了、もしくはそれと同等の学識、技術を習得したと認められた者が救急科専門医試験(筆記試験)を受験し合格することで「救急科専門医」となることができます。
救急科専門医の受験者数はこの10年間で毎年300~400人程度で推移しています。全体の専門医数としては日本には5000人程度しかおらず、貴重な専門医資格です。合格率に関しては60~70%台となっており、平成29年度の場合の合格率は61%で233名もの救急科専門医が新たに誕生しています。
医師免許の取得年度によって受験資格が異なるので注意してください。具体的には2016年度以降に医師免許を取得した場合は日本専門医機構による新制度におけるプログラムを履修しておく必要があります。
現行の制度では日本での医師免許を有し、申請時において継続して3年以上の学会員である必要があります。また5年以上の臨床経験を有していることも要件に含まれています。加えて学会指定の専門医指定施設および条件に準ずる救急医療施設において救急部門の専従医として3年以上の臨床修練、もしくはそれと同等の学識、技術を習得しておくこととなっています。
専門医認定試験の申請に要する申請書類は、「専門医申請書」、「履歴書」、「医師免許の写し」、「会員証明書」、「救急勤務証明書」、「専門医診療実績表」が必要となっています。
専門医の申請手数料には10,000円、専門医の更新手数料に関しても同様に10,000円の納入が必要です。指導医の資格を有する場合は専門医の更新手数料は0円となっています。
専門医の試験に関しては提出した救急勤務歴審査、診療実績審査を合格した者が筆記試験を受験することが可能となっています。
筆記試験の内容に関しては原則診療実績表の内容に準ずるとされており、学会は参考書籍として「救急診療指針」と「標準救急医学」を提示しています。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新する必要があります。
有効期間満了年の申請期間に「専門誌更新申請書」、「専門医資格取得後5年間における会費納入証明書」、「専門医資格取得前年度から5年間の業績目録」を提出する必要があります。
業績に関しては150点以上の目録が必要とされていますが、少なくとも日本救急医学会総会、日本救急医学会地方会および救急医学会セミナーに参加し取得する必要があります。
万が一更新申請する際に規定単位数に不足がある場合は執行猶予もあるため、学会ホームページをご確認ください。
※本記事は2019年1月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。