麻酔科専門医の取得方法


麻酔科専門医とは

公益社団法人日本麻酔科学会認定の麻酔科専門医を取得するためには、麻酔科認定医資格を取得後2年以上経過し、麻酔科認定病院での1年以上の勤務経験、および麻酔関連業務に従事していることが必要です。また所定の臨床、研究業績を有し、学会が行う麻酔科専門試験(筆記試験と口頭試問、実技試験)を合格した者が「麻酔科専門医」となります。

麻酔科専門医の傾向

麻酔科専門医は2018年度4月では全国に4571名の専門医が登録されていますが、手術や術後管理などに携わる専門医であり、その数はまだ十分であるとは言えません。
麻酔科専門医の受験者数は毎年400~500名が受験していますが、合格率は80%前後となっています。また最近では女性の専門医の比率も増加傾向にあり、より出産や育児面も考慮できるプログラム、カリキュラム作りが進んでいます。

受験資格

申請する年の学会費を完納しており、申請する年の3月31日までに600例以上の麻酔科管理症例を担当医として経験し、規定された対象疾患の症例数を満たしておくこと、および所定の実績(10単位)があることが必要です。
実技試験申請時においてはAHA-ACLSまたはAHA-PALSプロバイダーカードを取得していることも含まれており、経験では医師臨床研修終了後、申請する年の3月31日までに満3年以上の、機構が定める麻酔科専門医研修プログラムを修了すること、また麻酔科関連業務に専従していることが申請資格に定められています。専従に関しては定められた業務内容に「週3日以上」携わっていることが必要で、複数の施設で兼務することも可能です。

受験で必要な提出書類・記録

専門医認定試験の申請には以下の書類が必要となります。
専門医新規認定申請書
麻酔科専門研修プログラム修了証もしくは見込み証明書
職務経歴書のコピー
麻酔経歴書のコピー
臨床実績報告書5年分のコピー
専門医実績目録のコピー
写真表
規定期間内のAHA-ACLSまたはAHA-PALSプロバイダーカードのコピー、または当該ITCが発行したAHA-ACLSまたはAHA-PALSプロバイダーコース受講終了を証明するもの
上記8点の書類をWebで必要事項を記入した後、簡易書留もしくは宅配便で提出する必要があります。

受験料・登録料

審査料は筆記、口頭試験、実技試験の各受験科目につき10,000円が必要で、Web申請画面に沿って審査料を払い込みます。
試験に合格した場合は2週間以内に専門医登録料として20,000円を納付することで認定証を貰うことができます。

試験概要

試験の内容は筆記試験、口頭試問、実技試験が行われます。また必要に応じて実地試験が行われる場合もあります。
筆記試験に関してはマークシート方式が採用されており、A問題90問、B問題55問、C問題55問の3部構成からなり、各問題で試験時間が決まっており試験範囲は「教育ガイドライン第3版」となっています。
口頭試問は2名の試験官により30分間の試問となっています。
実技試験では「気道管理」、「区域麻酔」、「心肺蘇生」、「血管穿刺」などのテーマから出題され麻酔科専門医として研修医、専攻医を指導しながら正確な手技ができるかどうかの視点で評価されます。
実地試験は試験官の前で症例を提示後に実際に麻酔を実施しますが、実地試験は毎年5~10名が対象になっているようです。

専門医資格の更新について

専門医の更新は2019年度より学会認定の専門医から日本専門医機構による認定に順次切り替わります。具体的には申請期限日の1年前が申請時期となるため、2020年度が期限の場合は日本専門医機構による更新となります。
専門医の更新資格は有効期間が終了する年に正会員、名誉会員であり専門医登録後も麻酔科関連業務に専従していることが必要です。また更新申請には更新年度の5年前から所定の研究実績(5単位)が必要となります。
手続きはWebで必要事項を記入後に、「麻酔科専門医更新認定申請書提出必要書類送付書」、「職務経歴書」、「麻酔経歴書のコピー」、「診療実績報告書の5年分のコピー」、「専門医実績目録のコピー」を期日までに事務局に郵送します。
なお更新審査には審査料として20,000円の振り込みが必要です。

学会ホームページ

公益社団法人日本麻酔科学会
※本記事は2019年2月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。

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