特定非営利法人日本呼吸器学会認定の呼吸器外科専門医を取得するためには、学会員で日本の医師免許を持ち、外科専門医の資格取得を取得しておく必要があります。加えて一定期間以上の臨床経験と日本呼吸器外科学会の定める所定の研修プログラムを修了し、必要書類を提出後、呼吸器外科専門医試験(書類審査と筆記試験)を合格した者が「呼吸器外科専門医」となります。
呼吸器外科専門医とは外科専門医資格を取得した医師のサブスペシャリティ分野としての専門医資格で、2019年3月には全国に1496名の呼吸器外科専門医が在籍しています。
呼吸器外科専門医試験の合格率ですが、2017年度の試験での合格率は79.35%となっており、2016年度、2015年度も70%後半で推移しています。
日本での医師免許を有し、受験時に外科専門医を取得していることと日本呼吸器外科学会および日本胸部外科学会の会員で会員歴が3年以上である必要があります。加えて卒後修練期間7年以上も必要で、そのうち認定修練施設において3年以上の修練期間を有することも条件となっています。修練期間中には規定の手術を経験しておくこと、呼吸器外科学会に関する学会発表や論文発表および関連研修会への参加など一定の業績も必要となっています。
専門医認定試験の申請には専門医申請オンラインシステム(学会員マイページ参照)にて必要事項を登録し、業績の添付と共に提出します。
必要な業績に関しては「論文(3篇以上)」、「学会発表」、「学会参加」、「セミナー参加(規定のセミナー2回以上)」、「胸腔鏡セミナー参加」、「医療安全などに関する研修」、「手術経験」とされています。各業績毎にも注意点があるので、詳細は学会ホームページ上でご確認ください。
専門医試験を受験する際には審査料として40,000円、合格後に専門医の認定を申請するには50,000円を納入することとなっています。
試験は筆記試験でマークシート式(多肢選択形式)が採用されています
出題範囲は呼吸器外科医に必要な基本的知識、臨床判断力、手術手技、安全管理、移植、心臓血管外科と多岐に渡ります。日本呼吸器外科学会ホームページ掲載の「心臓血管外科研修」を受講されている場合は心臓血管外科に関する問題(3問程度)が免除されます。
尚各年度の過去問に関して4~5題は学会ホームページ上で確認することができます。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新する必要があります。
更新の基礎条件として日本呼吸器外科学会および日本胸部外科学会の会員であり、呼吸器外科専門医、外科専門医の資格を有しておく必要があります。
また、5年間の間で一定の業績(論文発表、学会参加)、術者又は助手として100例以上の手術経験も必要となります。一定の業績には医療安全などに関する研修を2回以上受けておくことも含まれています。
加えて一定の業績とは別途で20単位を取得も取得しておかなければなりません。
尚、専門医の更新申請料は40,000円が必要となります。
特定非営利法人日本呼吸器学会
https://www.jacsurg.gr.jp
※本記事は2019年6月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。