一般社団法人日本内分泌学会認定の内分泌代謝科(内科・小児科・産婦人科)専門医を取得するためには、学会員で日本の医師免許を持ち、各科において専門医もしくは認定の資格を有しておく必要があります。また日本内分泌学会の定める所定の研修プログラムを修了し、必要書類を提出後、内分泌代謝科(内科・小児科・産婦人科)医試験を合格した者が「内分泌代謝科(内科・小児科・産婦人科)専門医」となります。
同学会の専門医には内分泌代謝科(泌尿器科)専門医、内分泌代謝科(脳神経外科)専門医の資格もありますが、今回は内分泌代謝科(内科・小児科・産婦人科)について説明していきます。
内分泌代謝科専門医は内科系の基幹診療科のサブスペシャリティ領域とされており、毎年100名以上の内分泌代謝科専門医が誕生しています。2019年度からは新専門医制度においてカリキュラムの3年以上の研修期間について、産休や育休、長期留学、介護など相当の理由がある場合は中断も可能となり、サブスペシャリティ分野でのキャリア形成に関しても配慮がされています。学会員特徴としては女性医師の比率が多く、学会のJES We Can(男女共同参画推進委員会)の活動も活発に行われているようです。
共通の受験資格の要項としては日本での医師免許を有し、申請時に継続3年以上または通算5年以上日本内分泌学会員である必要があります。また申請時に各科の専門医(内科は認定医含む)を取得し、内分泌科認定教育施設もしくは連携医療施設において所定の期間内分泌代謝疾患の診療に従事していることも条件です。加えて内分泌代謝疾患において入院、外来において規定の診療経験を有し、内分泌代謝疾患の臨床に関する学会発表、または論文発表が5編以上あり、少なくとも2編は筆頭者でなければなりません。
各内科、小児科、産婦人科によって要項がことなる場合もありますので、詳細に関しては学会ホームページ上の各科専門医認定募集要項よりご確認ください。
専門医認定試験の申請には以下の書類が必要となります。
1.日本内分泌学会専門医認定申請書(兼会員歴証明書)
2.履歴書
3.医師免許証の写し
4.30症例以上の病歴と臨床経過表(産婦人科は15症例)
5.症例一覧表
6.業績目録
7.同じ基幹診療科の日本内分泌学会評議員または指導医の推薦状
8.基幹学会認定医または専門医資格証の写し
9.認定教育施設研修修了証明書
10.研修カリキュラム評価表
11.受験票
12.審査料払込金受領書の写し
13.研修参加証明書と記録3種類
を基幹診療科の募集要項と照らし合わせて提出します。
専門医試験を受験する際には審査料として30,000円を納付する必要があります。
また合格後に専門医の認定を申請するには認定料として20,000円を別途納入します。
試験の内容は筆記試験で択一もしくは択二で回答するマークシート方式の50問、午前と午後の2セットとなっています。
各科で問題が異なりますが、一般問題と臨床問題から出題され研修カリキュラム評価表に記載した疾患の知識や理解について問われます。
出題範囲は内科専門医ガイドブックに準じますが、基幹診療科の各専門書に関しても確認しておくことが望ましいでしょう。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新する必要があります。
現行の制度では更新の際には専門医取得後の5年後にも、「専門医と認定された後も、引き続き内分泌学会の会員であること」、「更新申請時に基幹学会の認定医または専門医であること」、「過去5年間に60単位以上の総単位数を取得しうち40単位は学会規定の必須講習会に参加しておくこと」の3点を満たしたうえで、事務局より送られる更新手続き書類を記載および所定の更新申請料を納付の上、提出することで更新が可能となっています。
2022年度以降の更新申請においては60単位数の内訳に変更があるためご注意ください。
一般社団法人日本内分泌学会
http://www.j-endo.jp/
※本記事は2019年6月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。