一般財団法人日本ペインクリニック学会認定のペインクリニック専門医を取得するには、医師免許を持ち一定期間の研修を修了、或いは麻酔科専門医などの基本領域の専門医の資格を取得しておく必要があります。加えて日本ペインクリニック学会の認定施設で所定の期間研修を行い、必要書類を提出後、ペインクリニック学会の専門医認定試験(書類審査と筆記・口頭試験)を合格した者が「ペインクリニック専門医」となります。
ペインクリニック専門医とはペインクリニック学会指定研修施設において5年以上の研修を修了しておくこと、或いは麻酔科標榜医もしくは麻酔科専門医などのサブスペシャリティ分野の資格として取得できる専門医の一つです。
2006年度から名称が専門医へ変更され開始された専門医制度ですが、新専門医制度の開始に伴い今後はサブスペシャリティ分野への移行が進んでいくようです。
現在は19の基本領域が決定されているようですが、その中でも特に麻酔科専門医との関連性が高い分野です。
気になるペインクリニック専門医認定試験の合格率ですが、2018年度の専門医認定試験の合格率は85.4%で、2017年度は86.8%といずれも80%台後半と高い合格率で推移しています。
ここ最近の専門医関連の傾向においては、専門医になる為の指定研修施設は2017年4月には344施設に達し、ペインクリニック専門医は1597名となっています。
日本での医師免許を有し、受験時に麻酔科標榜医もしくは麻酔科専門医を取得しておくことが要件となっています。加えてペインクリニック学会員として5年の会員歴を有し、臨床医として6年以上の経験が必要です。臨床経験の中にはペインクリニック学会指定研修施設において5年以上の研修或いは基本領域の専門医を取得後、学会指定の研修施設で1年以上ペインクリニックに関する研修を行うことが必要です。
また、5年間の学会員の日本ペインクリニック学会学術大会、かつ各支部が後援する学術集会に各 2 回以上出席していることも条件となっています。
専門医認定試験の申請には以下の書類が必要となります。
1.専門医認定申請書
2.履歴書および業績目録(学会発表および論文発表)
3.本大会及び各支部が後援する学術集会の参加証明書
4.研修証明書
5.症例記録(50症例以上の症例記録)
6.履歴書に貼付したものと同じ証明写真
7.提出書類等チェックリスト
上記の提出書類は麻酔科専門医の基本資格を有していない場合の提出書類で、サブスペシャリティ分野として申請する場合には症例記録の代わりに該当する専門医証の写しを提出する必要があります。
なお、上記の書類は学会ホームページよりダウンロードが可能なため、必要の際には学会ホームページをご一読ください。
専門医試験を受験する際には審査料(書類審査料・口頭試問料・筆記試験料)として30,000円、合格後に専門医の登録を行うために30,000円を納入することとなっています。
試験は書類審査を通過した場合に筆記試験と口頭試問を受験することができます。
筆記試験は記述式と多肢選択式で構成されており、記述式には大問題(2題のうち1題を選択)と小問題(5題)が設定されています。
また多肢選択式問題は計30問出題され、試験範囲は教育カリキュラムに準ずるとされています。
過去の問題に関してはj-stageでも検索が可能で記述式の解答例も記載されていますので学会員でなくても閲覧が可能となっています。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新する必要があります。
また専門医の認定期間中にペインクリニック学会大会への出席(1 回以上)が必須となっています。
必要な書類は次の4点で「専門医更新申請書」、「更新に必要な単位50点を記載した専門医更新申請書」、「臨床経験50症例」、「50症例の内5症例の治療経過」を提出するようになっています。なお4回目以降の更新に関して症例提出は不要となっています。
更新の書類審査料は10,000円、更新審査に合格した際には別途10,000円を学会に納入する必要があります。
なおやむを得ない事情により更新申請に必要な総得点が50点、または50症例に満たない場合には猶予願を申請することも可能です。
詳細に関しては専門医資格更新申請要項をご確認ください。
一般社団法人日本ペインクリニック学会
https://www.jspc.gr.jp/index.html
※本記事は2019年8月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。