一般社団法人日本手外科学会認定の手外科専門医を取得するには、医師免許を持ち日本整形外科学会あるいは日本形成外科学会の専門医資格を取得しておかなければなりません。
加えて学会の認定研修施設で所定の期間研修を行い、必要書類を提出後、日本手外科学会の専門医認定試験(筆答試験・口頭試験)を合格した者が「手外科専門医」となります。
手外科専門医とは日本手外科学会が定める専門医資格ですが、日本整形外科学会、あるいは日本形成外科学会の専門医のサブスペシャリティ分野の資格として位置づけられています。
2016年度の手外科専門医試験では受験者73名で合格率は97%、2018年度の受験者数は56名で78%の合格率となっていることから、受験年度によって合格率に差があるようです。
なお、2019年9月現在の学会ホームページ上には手外科専門医は972名が登録されています。
日本での医師免許を有し、日本整形外科学会、あるいは日本形成外科学会の専門医であることが必要です。
また受験申請時には5年以上続けて手外科学会の会員であり、5年以上の臨床経験うち学会が認定する研修施設で3年以上の研修を修了しておくことも含まれています。
加えて基礎領域の専門医取得後に3年以上、手外科治療の実績を有しておかなければなりません。
さらに専門医規則で定められた手術の実績や論文発表および研修会の参加などの条件を満たしておくことも必要です。
専門医認定試験の申請には以下の書類が必要となります。
1.チェックシート
2.専門医認定申請書
3.施設一覧表
4.診療実績証明書
5.研修証明書および指導専門医一覧表
6.指導専門医証明書
8.学会・教育研修会参加単位一覧表および学会発表一覧表
9.発表論文一覧表・講演一覧表
10.症例一覧表
11.研修カリキュラム対応疾患一覧表
12.検査一覧表
13.研修カリキュラム対応検査一覧表
14.処置一覧表
15.研修カリキュラム対応処置一覧表
16.専門医研修規則総合成績表
17.病歴要約提出症例記録
18.上記書類一式の写し
19.審査料の振込金受領書の写し
上記の提出書類は学会Webサイトからダウンロードが可能です。
なお不明な点に関しては手外科専門医制度細則およびFAQにて確認することができます。
専門医試験を受験するには書類審査料として30,000円の納付が必要です。
また、合格通知後に試験料として50,000 円を納付することになっています。
試験は筆記試験と口頭試問により合否が判断されます。
筆答試験は選択問題で出題形式は医師国家試験に準じているようです。
試験時間は70分で出題数は44問(整形・形成分野別選択問題)です。
内訳は共通問題40題と選択問題が各4問で構成されています。
一方、口答試験は実際の症例の診断名、手術適応、手術方法、合併症などが問われます。
口答試験は作成問題4題の中から受験者が選択した1題と、受験者の申請症例の中から委員が選択した1題の合計2題が出題され、受験者1人に対して2名の審査官が15分間の口答試問を行うようです。
専門医の認定期間は5年間で、5年ごとに資格を更新しなければなりません。
更新可能な条件としては申請時において、5年以上引き続き日本手外科学会の会員であり、日本整形外科学会あるいは日本形成外科学会の専門医でなければなりません。
さらに直近通算5年間に手外科学会学術集会に2回以上参加していることや学会が認定する教育研修会講演を受講し、50単位以上取得していることも必要になります。
なお、必要単位の1/2 を限度に自己申告により、学会発表、論文発表、学会又は研究会参加などで単位を取得する措置もとられています。他にも直近5年間での150症例以上の手術実績も提出しなければなりません。
提出書類は専門医更新認定申請書をはじめ診療実績証明書や単位取得に関連する証明書が必要となりますが、いずれも学会ホームページ上よりダウンロードが可能です。
更新を希望する際には書類審査料として30,000円の納付が必要です。
一般社団法人日本手外科学会
http://www.jssh.or.jp/doctor/index.html
※本記事は2019年9月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。