医学部生の進路と言えば、およそ臨床か研究かの二択を迫られた時代もありますが、現代では医師の働き方も多様化しています。今回の記事では、臨床以外の分野を考えている医師に向けて、医師資格を活かすさまざまな道について、その道に向いている人の特徴や収入・やりがいなどについてご紹介します。
日本の医療業界のあり方に疑問を持っていたり、今までにない新しい価値を創造したいというアイデアを持っていたりと、多くは「医療に貢献する」にという強い信念を持った方がこの道を選びます。最近ではやはりAI分野が注目されており、それに関連した事業が流行となっています。成功すれば社会に大きく貢献することができ、自分の収入も格段に上がります。
石原さとみが主演のドラマでも話題になった職業です。法医学者は国内で150名程度しかいないそうです。夜勤や呼び出しがないため比較的働きやすいとも言えますが、やはり収入や業務内容などの条件面から考えると、敬遠してしまう医師も多いようです。法医学に対してのやりがいや志を持ち続けられる人でないと、難しいかもしれません。
産業医は当直などがないため、女性も働きやすく、ワークライフバランスを取りやすいと言われています。収入面も安定しやすく、やりがいについても自分次第で見いだしやすいため、産業医の道へ進む人は増えてきています。社会的にも需要が高まっている職業です。
厚生労働省での仕事は激務と言われていますが、「日本の医療を変えたい」という目的を持った医師にとってはやりがいのある仕事ができると思います。厚生労働省に1〜2年勤めて力をつけた後、起業や臨床に戻るなどの道を選ぶ医師もいます。
発展途上国の医療に貢献したい人は、WHOや世界銀行などで活躍しています。社会的意義のある仕事なため、大きなやりがいを持てると思いますが、すでに家庭を持っている方がキャリアチェンジの選択肢として考えた時には難しい面も多い道です。
医師が議員になるケースは少なくありません。臨床医として働きながら市町村議会の議員として働いているケースもあるようです。
研究開発や薬事系の仕事に携わるかたちで転職する医師が多いようです。勤務条件や福利厚生などの観点から考えると、比較的安定した働き方ができると言われています。やりがいの面では、勤務先や業務内容との相性による振り幅が大きいかもしれません。
セカンドキャリアとして、介護老人保健施設の施設長になる医師もいます。収入面はあまり高くないですが、体力的にしんどくない仕事なので、60代以上に人気があります。
講演・セミナーを中心に行っている医師もいますが、現場の仕事もしながらというケースが多いと思います。「伝えたいこと」の他に、話術もあれば向いています。
自由診療のため収入が良いとは言われていますが、競争が激しい分野です。サービス業への適性やビジネス感覚もないと、向いていないかもしれません。
家庭と仕事を両立させたい女性医師に、人気のある職業です。ただし、仕事内容がスキルアップにつながりにくい、やりがいを持ちにくいといった面もあります。
ここに書いた以外にも、医師にはさまざまなキャリア選択肢があります。
やりがいや収入面も大切ですが、仕事と生活のバランスや自分に向いているかどうかなども考えながら、臨床以外の新しい道を探ってみると良いかもしれません。