医師の転職活動ではそれほど多いケースではないと言われていますが、意を決して転職したのに、転職先が合わずすぐ辞める結果になってしまうことがあります。転職を繰り返していると精神的負担も増えますし、あまりに何度も転職を繰り返すとキャリアの評価が下がってしまうリスクもあります。今回の記事では、早期退職になる主な原因２つと、転職活動の段階でそれを防ぐ対策方法を検討してみましょう。
業種を問わず、皆さんの身近にもよくある事例だとは思いますが、早期退職はやはり「人間関係がうまくいかなかった」という原因が多いようです。これに関しては、実際入職してみないとわからないところもあると思います。事前の対策が難しいからこそ、一番多い早期退職の原因なのではないでしょうか。
しかし、入職前にトップとしか顔を合わせていない、現場の様子を見学しないで決めてしまったという場合は、もう少し面接の段階でよく確認しておけば防ぐことができたかもしれません。また少し引っかかるものがあったとしても条件の良さに目が向いてしまい入職したというようなケースもあります。
特に、転職の理由が「収入を良くしたい」「仕事をらくにしたい」など条件面の理由である場合、「人間関係はどうか」というところが後回しになりやすいと思われます。しかし、条件が良くても人間関係が悪いという環境で仕事を続けることはストレスになり、結果として早期退職になっては元も子もありません。見落としがちな「職場の人間関係」が、実は重要なチェックポイントだということを念頭に置いておくと良いと思います。
「入職前にイメージしてたのと全然違って、想像以上に忙しい。こんなはずじゃなかったのに…！」という話も早期退職になる事例としてあります。これを防ぐ方法としても、やはり病院内を見学する、トップだけでなく同僚となる医師に話を聞く、事前に気になることをしっかり質問するなどの確認が重要です。また、面接では病院に求められていることをよく聞いて理解することも大切ですが、最終的な意思決定の判断材料も集めておく必要があります。自分の望んでいる働き方が施設側とマッチするかどうかは特に重要なので、よく相談すると良いでしょう。入職したいがために無理して相手側の要望に合わせすぎたり、仕事内容について「イメージ」だけでの思い込みがあったりすると後々トラブルになる可能性があるので、「正直に話す」というのも大切といえます。
これ以外にも早期退職に至る原因は、自己都合か否かを問わず、さまざまにあります。合わない職場で無理して続けるよりは、合わないと気づいた時点ですぐ退職してしまったほうが賢明なこともあるかもしれません。しかし、精神面や経済面の負担、キャリアのことを考えるとできるだけ早期退職は避けたいですよね。先輩医師や紹介会社の担当者など第三者によく相談することで避けられるケースもあるかもしれません。確認不足や思い込みなど、防ぐことができそうなポイントはしっかり押さえておくと良いと思います。