産業医は、「労働者の健康管理をする」という大きな役割を担っています。
労働者にとっても、自分の健康を守るため、産業医の存在は必要不可欠になっているでしょう。
企業にとっても大切な労働者の健康と安全を守るため、産業医と連携を取ることが大切になってきます。
ところで、産業医には「常勤」と「非常勤」という勤務体系があることはご存知でしたか。
産業医の常勤・非常勤にはどういった違いがあるのでしょうか。
今回は産業医の常勤と非常勤の違いや、それぞれの役割について触れていきたいと思います。
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1.”今”ニーズが高まっている産業医とは
産業医は今、非常にニーズが高まっている大切な存在です。
そんな産業医について、まず最初に触れていきましょう。
1.1産業医は何をしてくれるの?
産業医は、企業で労働者の健康管理を担当する医師のことを指します。
専門的立場から労働者に対し、適切な健康指導や助言をしていきます。
それでは次に、産業医の業務内容について触れてみましょう。
・職場巡視
産業医は月に1回、または数回のペースで職場巡視をしていきます。
そこで何かあればいち早く気付き、改善に向けての指導をしていきます。
この巡視ペースは、産業医に必要なデータを提出することで、2ヵ月に1回や数回に減らすことも可能になります。
・労働者との面談
労働者と面談をすることは、産業医の大切な役割になります。
特に「長時間労働者」や「高ストレス者」は産業医と面談することが義務付けられています。
産業医は、労働者としっかり面談をしながら、適切な指導や助言をしていきます。
普段勤務している労働者と面談することはもちろん、休職者や復職希望者との面談もします。
復職希望者に対しては、回復状態をしっかり把握した上で、職場復帰が可能かどうか判断をします。復職判断を誤ってしまうと、職場復帰しても再度休職になるケースもあるため、慎重な判断が求められます。
・ストレスチェック
産業医はストレスチェックの計画や実施、事後措置に関わる必要があります。
特に現代はストレス社会といわれているので、このストレスチェックが大切になってきます。
ここで「高ストレス」という結果が出た労働者は、産業医と面談する必要があります。
・健康診断結果のチェック
健康診断の結果が出たら、必要に応じて産業医に情報提供をします。
「所見有り」と結果が出た労働者に対して、産業医は今後の就業判定を出し、
「就業制限や休職が必要」とされた労働者に対しては、意見書を作成します。
いずれにしても、健康診断結果報告書を提出する際には産業医の捺印が必要になります。
そのため、労働者の健康診断結果のチェックも、産業医の大切な仕事になります。
・健康相談や健康指導
健康診断結果によっては、労働者が産業医に健康相談を希望する場合もあります。
「健康指導が必要」と判断した労働者も、産業医が健康相談や健康指導、栄養指導などをしていきます。
ここで産業医は、労働者それぞれに合わせて相談に応じ、各種指導をしていくことが求められます。
・衛生委員会へ参加
「衛生委員会」に参加することも産業医の大切な役割です。
参加は必須ではありませんが、参加することが望ましいため、積極的に参加する産業医が多くなっています。
仮に、衛生委員会に参加できない場合は、作成された議事録に目を通す必要があります。
・衛生講話の実施
産業医は、衛生委員会や社員研修の場で労働者に向けて「衛生講話」を実施します。
衛生講話は企業側から希望が出れば開催します。
衛生講話を実施する上で大切なことは、職場のニーズに合った内容の講話を考えることです。分かりやすく、ポイントを押さえた講話をすることも、産業医の大切な仕事になります。
1.2産業医を設置しなければならない企業
産業医は、今や多くの企業で設置されていることでしょう。
では、どういった場合に産業医を設置しなければならないのでしょうか。
・労働者数が50人を超える企業
事業所で働く労働者数が50人を超えた時点で、産業医を設置する義務があります。
産業医設置の義務があるにも関わらず設置しない場合は、法律により罰せられるので注意しましょう。
また、労働者数が50人を超えたら14日以内に産業医を設置し、必要書類を提出する必要があります。
そのため、「そろそろ労働者数が50人を超えそう」という事業所は、早めに産業医の選任を考えることが大切です。
50人未満の事業所は、産業医の設置は義務付けられていませんが、助成金制度を使って設置することが可能です。
これほど設置が推進されている産業医は、今やニーズの高い存在といえます。
いざ産業医を選任する時にバタバタしないためにも、早めに産業医の設置を考慮することも大切です。
・産業医が今、必要な理由
産業医は今こそ必要とされています。
特に、近年では過重労働が問題となりました。
実際に長時間労働や過労による健康被害、過労死や過労自殺などをニュースで見た方も多いのではないでしょうか。
本来、仕事は誰かの役に立つために、自分の生きがいのためにするものです。
仕事が原因で健康被害が発生してしまっては元も子もありませんし、ましてや命を落としてしまう事態は阻止する必要があります。
長時間労働の対策や、職場の人間関係問題の改善ができれば、労働者のストレスもぐっと減るのではないでしょうか。
労働者にとって働きやすい職場環境の実現のためにも、産業医は今、ニーズが高まっています。
労働者は、産業医と面談をすることで直接、指導や助言をもらえます。
同時に、事業所側にも労働者の情報が必要な範囲で伝えられ、それにより事業所側も対策ができるかもしれません。
2.産業医の種類は2種類
産業医といっても2種類に分かれます。
次に、産業医の種類について触れてみましょう。
2.1常勤産業医
常勤産業医は「専属産業医」とも呼ばれ、その企業に常勤体制で勤務する産業医のことになります。
・常勤産業医の設置要件
次に、常勤産業医の設置要件についてお話します。
常勤産業医の設置要件は、以下のようになります。
【1名以上の常勤産業医が必要】
・1,000人以上の労働者が勤務する事業所
・有害業務に常時500人が携わる事業所
【2名以上の常勤産業医が必要】
・3,000人以上の労働者が勤務する事業所
2.2非常勤産業医
常勤産業医と異なり非常勤となるため、常時職場に勤務しているわけではありません。
・非常勤産業医の設置要件
非常勤産業医は、50人以上999人以下の職場に設置する義務があります。
50人未満の職場は産業医の設置は義務付けられてはいませんが、助成金制度を活用して設置することができます。
それほど、産業医の設置を推進されている環境であるともいえるでしょう。
50人未満の事業所も、いずれは労働者が増えて産業医の設置が必要になるかもしれません。
産業医の設置は迅速にする必要があるため、現在産業医を設置していない企業も助成
金制度を活用し、産業医を設置してみてはいかがでしょうか。
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3.常勤と非常勤の大きな違いは?
次に、「常勤産業医」と「非常勤産業医」の違いについて見ていきましょう。
契約内容
・常勤産業医
常勤産業医は企業と直接契約しているため、契約された事業所内のみで勤務します。
・非常勤産業医
非常勤産業医は他の企業とも契約をし、産業医をしているケースがあります。
勤務体制
・常勤産業医
常勤産業医は「企業に所属する形」になるため、週の3~5日、その職場にほぼフルタイムで勤務します。企業で働く労働者にとって、ほぼ常に産業医が社内にいる形になるため、心強い存在になるでしょう。
産業医も企業の労働者と同じように社内勤務をしているため、職場環境がより見えやすい環境になります。
そのため、労働者や企業側に指導や助言をする際に、より具体的なアドバイスをしやすいでしょう。
・非常勤産業医
非常勤産業医は普段、医師として勤務する傍ら、決められた日に職場訪問をして産業医の仕事をこなします。
常勤産業医と異なり、普段から職場内にいるわけではありません。
しかし、時々の訪問だからこそ、何かしらの変化に気が付くかもしれないというメリットもあります。
【相場】
「常勤産業医」と「非常勤産業医」は勤務形態が異なるため、当然報酬も差が発生します。
では、それぞれの報酬相場を少し覗いてみましょう。
・常勤産業医
常勤産業医の場合、報酬相場は以下のようになります。
(300~400万円)×(1週間の勤務日数)=報酬相場
見て分かるように常勤産業医の場合、1週間にどれだけ勤務するかによって報酬相場が異なってきます。
・非常勤産業医
労働者数が50~500名の事業所=60,000~100,000円程度
労働者数が500~999名の事業所=110,000~150,000円程度
ここでも分かるように、当然、常勤産業医の方が報酬額も多くなります。
労働者数が増えればそれだけ支払い報酬も多くなりますが、労働者の健康管理のために産業医は大切な存在になります。
4.良い産業医を探すには?
では良い産業医を探すには、どうすれば良いのでしょうか。
「良い産業医」を見極める
良い産業医を探すには、どういった産業医が「良い産業医」になるのか見極めることが必要になります。見ただけでは、誰が良い産業医か判断することは困難でしょう。
優秀な産業医とは、確かな知識と実績があり、労働者に寄り添った対応ができる産業医になります。
そして偏ったものの見方をせず、広い視野を持つことも大切になってきます。
産業医の探し方
産業医はどのように探したら良いのでしょうか。
産業医を探す方法は色々あります。
【直接探す】
知り合いの医師が産業医の資格を有する場合、直接依頼をするのも良いかもしれません。
事業所内の労働者に、産業医とコネクションのある人材がいれば、そこから依頼をする方法もあります。
産業医を選任する場合は、産業医認定をされた医師を選ぶ必要があるため確認をしておきましょう。
【医師会に依頼】
地域の医師会に頼んで産業医を探してもらう方法もあります。
【健康診断実施機関に依頼】
健康診断を実施している機関に依頼をし、産業医を探してもらう方法もあります。
【紹介サービスに依頼】
産業医のニーズが高まっているので、産業医を紹介するサービスがあります。
産業医を探すためには、紹介サービスに依頼をする方法が一番スムーズで確実でしょう。
産業医を探すことは手間のかかる作業で、産業医設置に伴い、必要書類の作成や提出も必要になります。
紹介サービスに依頼をすれば産業医を探すだけでなく、書類作成や提出の代行も可能になります。
5.産業医クラウドで企業に合った産業医を選任!
産業医を探すには、紹介サービスに依頼をすることがベストです。
企業にぴったりの産業医を選任
産業医クラウドは、それぞれの企業に合った産業医を選任しています。
女性が多い職場や危険作業が伴う職場、定年退職者の再雇用率の高い職場など、職場の環境は様々でしょう。
産業医クラウドでは、それぞれの企業のお話をじっくり伺いながら、その事業所にぴったり合った産業医を選任していきます。
優秀な産業医たちが在籍
できれば優秀な産業医に、大切な労働者の健康管理を一任したいですよね。
Avenirに在籍する産業医は、「合格率20%未満」という厳しい面接の中から選ばれた優秀な産業医たちばかりです。
Avenirであれば、確かな腕を持つ、優秀な医師たちの中から産業医を選任することが可能です。
大切な労働者たちの健康管理のためにも、Avenirで優秀な産業医を探してみてはいかがでしょうか。
スタッフのフォローも充実
産業医クラウドは、優秀な産業医たちが在籍しているだけでなく、スタッフによるフォローやサポートも充実しています。
衛生委員会や復職プログラム、人事向けの無料セミナーなどの制度づくりもサポートしているので、いつでもご相談ください。
産業医との関係性についても、もちろんフォローしています。
何か問題が発生した場合、産業医の変更も無償で対応していますので、いつでもご相談ください。
全国に対応
産業医クラウドは全国に対応しているため、地方に事業所がある場合も一度お問い合わせください。
6.まとめ
産業医には「常勤」と「非常勤」がありますが、どちらの勤務体系にしても労働者の健康管理と職場の安全管理のために働くことが大切です。
産業医は労働者の健康や安全を守るため、「産業医」という仕事に責任を持って勤務することが重要になってきます。
常勤産業医も非常勤産業医も、選任する時は優秀な人材を選ぶことが大切です。
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