産業医のスポット契約とは?報酬相場や契約メリットを解説

産業医とのスポット契約といわれても、何を意味するのかピンとこない方も多いでしょう。

産業医」、「スポット契約」という言葉をそれぞれ単独で耳にしたことのある方は多いでしょうが、この言葉がセットになっていると、何のことなのか首を傾げる方も多いかもしれません。

産業医とのスポット契約は、通常の産業医選任とは異なった契約方法になりますが、今回は産業医のスポット契約について触れていこうと思います。

産業医がいない企業様も、産業医が設置されている企業様も、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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産業医とのスポット契約とは何か

産業医とのスポット契約とは何かについて、これから見ていきましょう。

回数や時間を決めて面談する方法

産業医とのスポット契約とは、通常の産業医とは異なり、回数や時間を決めて面談する方法の契約となります。

産業医選任が義務付けられていない職場や、女性特有の相談(体の相談やセクハラ問題など)をしたいが産業医が男性であるため抵抗がある場合、特定の産業医とスポット契約をすることができます。

産業医選任義務が発生していないため、産業医がいない事業所におき面談が必要な従業員が発生した場合は、スポット契約をすることで産業医と面談をすることが可能です。

事業所の産業医が苦手とする課題に対応できる産業医をお探しの場合も、スポット契約をご検討してみてはいかがでしょうか。

スポット契約をするためには?

産業医とスポット契約をするためには、スポット対応に対応した産業医を探す必要がありますが、スポット契約のための産業医探しの方法を見ていきましょう。

①心当たりの産業医に声をかける

産業医に心当たりがあれば、スポット契約に対応しているか尋ねてみても良いでしょう。
ただし事業所が求める産業医であるかどうか、独自で見極めることが大切になります。

②医師会や健診実施機関に依頼をする

医師のすべてが産業医の資格を有するわけではなく、産業医のすべてがスポット契約に対応しているわけでもありません。

スポット契約をするためには、自力で探すよりも他に依頼をした方が確実でしょう。

産業医紹介会社に依頼をする

産業医を探すためには、産業医紹介会社に依頼をすることがベストとされております。

産業医紹介会社であれば、多数の産業医の中から選ぶことが可能となり、スポット契約に対応している産業医もより効率的に見つかるでしょう。

産業医紹介会社も複数存在しますので、ホームページがあれば参照し、お電話やメールフォームでお問い合わせをするなどして、より良さそうな会社を選んでみてはいかがでしょうか。

④個人産業医事務所に依頼をする

個人産業医事務所は産業医業務専門の事務所となり、プロの産業医を探すためにも有効的な方法といえるでしょう。

産業医により特徴やカラーは様々となるため、事前に見極めておく必要もあります。

産業医とのスポット契約は限定的である

(法的要件を満たした企業は産業医選任が義務化されたため)
産業医設置をするためには、特定の法的要件を満たす必要があり、違反した場合は罰則が発生します。

産業医設置に伴う法的要件】

産業医設置が必要な法的要件を見ていきたいと思いますが、産業医には専属産業医と嘱託産業医が存在し、企業の規模によりどちらの産業医を設置するか決定されます。

・専属産業医

1,000人以上の従業員が勤務する企業、常時500人以上が有害業務に携わる企業におき、1名以上設置する必要があります。

3,001人以上が勤務する企業では、2名以上の専属産業医の設置が必要となります。

・嘱託産業医

50人以上999人以下の従業員が勤務する企業に、1名以上設置する必要があります。
50人以上の従業員を抱える事業所で産業医を設置していない場合、産業医とスポット契約をすることはできず、事業所の産業医を選任する必要があります。

ただし法的要件を満たした企業で産業医を選任している場合は、別の産業医とスポット契約をすることが可能です。

・50人未満の小規模事業所

従業員数50人未満の小規模事業所は、産業医の選任義務がないため、法的要件を満たしていないことになりますので、産業医とスポット契約を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

小規模事業所だからこそ従業員1人1人の負担が大きくなることもあり、面談が必要な従業員が発生することはもちろん、早期対策が必要なケースもあるでしょう。

事業所の回転率や従業員の定着率をアップさせるためにも、スポット契約をご検討してみてはいかがでしょうか。

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産業医とのスポット契約時の報酬相場


産業医とのスポット契約をする場合の報酬相場は、大まかに見てどの位になるのでしょうか。

【スポット契約時の報酬相場】

産業医とのスポット契約は先に述べたように、回数や時間で決定するため、対象従業員数により変動します。
報酬相場は選任方法により異なりますが、産業医紹介会社や産業医事務所を利用した場合の相場を覗いてみましょう。

産業医紹介会社を介した場合】

産業医紹介会社を介してスポット産業医を選任した場合の報酬相場は、以下のようになっていることが多いとされております。

月額訪問料

2時間100,000円
3時間120,000円
4時間140,000円

上記金額に加え、産業医選任手数料が100,000円程度必要となってきます。

産業医事務所を介した場合】

産業医事務所を介する場合、事務所により報酬相場はまちまちになるでしょう。

1案件について100,000円~程度の金額になるといわれておりますが、事務所により異なることに加え、報酬相場の表記がないこともあるため、直接お問い合わせすることが確実といえます。

面談時間が1回2時間までと限られている場合もありますので、事前確認をしておくことが望ましいでしょう。

【嘱託産業医の報酬相場】

参考までに、嘱託産業医の報酬相場について見てみましょう。

従業員数月額従業員数月額
50~100名60,000円501~600名110,000円
101~200名70,000円601~700名120,000円
201~300名80,000円701~800名130,000円
301~400名90,000円801~900名140,000円
401~500名100,000円901~999名150,000円

上記金額に加え、60,000円の訪問料が加算されます。
有害物質を取り扱う事業所におきましては、30%増しとなり、専門性が必要な産業医の場合は半日で15~30万の費用がかかります。

〈紹介会社を利用した場合〉

産業医紹介会社を通じて産業医選任を実施した場合、上記金額に加えて紹介会社に30%程度の支払いが発生するため、紹介会社へ支払う金額は以下のようになります。

・(産業医への支払金額)×12ヶ月×30%(紹介会社への支払金額)=年間支払額

訪問回数や面談時間が少なければスポット契約の方がお得かもしれませんが、場合によっては嘱託産業医を設置した方が効率良いケースもあります。

従業員数がそろそろ50人を超えそうで、嘱託産業医の選任が必要になりそうな場合は、スポット契約と嘱託産業医設置とどちらにするか、検討してみても良いかもしれません。

産業医とのスポット契約のメリット

産業医とスポット契約をするメリットとは、どういった点にあるのでしょうか。

不調気味の従業員をケアできる

不調の原因は様々ですが、近年ではメンタルヘルスによる不調が深刻といわれております。
メンタルヘルス問題以外にも、病気による体調不良や悩み、それ以外にも様々な悩みや問題があるでしょう。

【小規模事業所こそケアが必要】

特に小規模事業所となりますと、従業員1人1人にかかる負担も大きくなるケースも多いといわれており、従業員のメンタルケアが必要となるでしょう。

長時間労働者や高ストレス者が発生すれば産業医と面談をする必要がありますが、産業医とスポット契約をすることで従業員の体調管理が可能になるかもしれません。

産業医に悩み相談をすることで気持ちの整理がつけられ、心が楽になるかもしれませんし、産業医による具体的な助言や説得力のあるアドバイスが期待できるかもしれません。

産業医が設置されている企業でも】

産業医選任義務があり、すでに産業医が設置されている企業の場合も、他の産業医とスポット契約をすることが可能です。

企業の産業医が男性となると、女性特有の相談が困難な女性従業員もいるかもしれませんが、女性産業医とスポット契約をすることで相談ができるかもしれません。

企業の産業医が苦手とする分野に対応している産業医を別に探したい場合も、スポット契約を考えてみても良いかもしれません。

必要な分だけ面談実施

長時間労働者や高ストレス者、その他面談が必要な従業員は、産業医と面談をする義務があります。
小規模事業所で面談が必要な従業員が少人数の場合、嘱託産業医と契約をするよりもスポット契約をして、必要な分だけ面談実施することが可能です。

他にメインの産業医が設置されている場合も、メインの産業医が対応困難な分野に対応している産業医とスポット契約をして、必要な分だけ面談を実施してみるのも良いかもしれません。
スポット契約では、ストレスチェック面談やネット面談にも対応しております。

無駄な費用を抑えることができる

訪問回数や対応時間に応じて費用が発生しますので、無駄な費用を抑えることが可能です。

面談をする従業員人数が少人数で、面談時間もそれほど必要としない場合は、無駄な費用を抑えることができるでしょう。

費用を抑えながら従業員の健康管理を実施するためにも、産業医とのスポット契約が有効かもしれません。

ただし、50人未満の小規模事業所は助成金制度を活用して産業医を設置することができますので、そちらも併せて考えてみてはいかがでしょうか。

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従業員数は企業によりそれぞれで、産業医との面談時間も変動が生じます。
産業医に求める要望も企業によってそれぞれでしょうし、まったく同じ考えの産業医は存在しないでしょう。

そのため産業医を選任する際には、産業医の取り組み方や得意分野などを把握しておくことも大切になるでしょう。

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