労働衛生コンサルタントという単語を聞いたことはありますか?「たまに聞くけど、どういうものなの?」と思う方もいるかもしれません。
労働衛生コンサルタントは、かなり専門的で取得難易度の高い資格です。受験するためにも、特定の条件を満たしている必要があります。
では、労働衛生コンサルタントとは、どんな人が持っている資格になるのでしょうか。今回は、労働衛生コンサルタントについてスポットを当ててみようと思います。
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労働衛生コンサルタントってどんな資格?
そもそも労働衛生コンサルタントとは、どういった資格なのでしょうか。
労働衛生コンサルタントとは
労働衛生コンサルタントとは、労働安全衛生法で規定された厚生労働省管轄の国家資格です。その内容として、労働安全衛生法第81条で以下のように定められています。
「労働衛生コンサルタントは、従業員の安全水準の向上を図るために事業所の安全についての診断およびこれに基づく指導をすること」
「労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする。」
労働衛生コンサルタントの試験内容は、筆記試験と口述試験です。試験区分は、保健衛生か労働衛生工学のいずれか1つを受験することになります。
筆記試験
毎年10月に実施されています。内容としては、
- 労働衛生一般
- 労働衛生関係法令
- 健康管理
- 労働衛生工学
の4つです。
口述試験
筆記試験を受けた翌年の1月下旬~2月上旬に実施されています。
内容としては、労働衛生一般と専門科目です。試験に合格した場合は、登録を受ける必要があります。
資格取得条件
労働衛生コンサルタントの受験資格は労働安全衛生法の定める要件を満たす者のみに発生します。
その内容は実に細かく非常に多岐に渡るため、事前に確認しておくことが大切です。
資格取得条件の一部
ここでは、労働衛生コンサルタントの資格取得条件を満たす事例の一部を紹介します。
- 大学(短期大学を除く。)か専門学校で理科系統の正規の課程を修めて卒業して、かつその後5年以上衛生の実務に従事した経験を有する者
- 短期大学か高等専門学校で理科系統の正規の課程を修めて卒業し、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有する者
- 高等学校か中等教育学校で理科系統の正規の学科を修めて卒業し、その後10年以上衛生の実務に従事した経験を有する者
- 医師国家試験合格者
- 歯科医師国家試験合格者
- 薬剤師
- 技術士試験合格者
このほかにも、労働衛生コンサルタントの資格取得条件を満たす事例はたくさんあります。そのため、まずは受験資格を満たしているかどうかについて確認しておきましょう。
労働衛生コンサルタントにできること
では、労働衛生コンサルタントにできることとは、どういったものになるのでしょうか。
安全診断と指導
労働衛生コンサルタントは、事業所の安全水準構造をするための支援業務をすることができます。災害が発生した事業所などに対して再発を防止するための対策の立案をします。そして、対策実施をするための指導や実施状況の診断をします。
労働安全衛生マネジメントシステムの監査・評価
労働安全コンサルタントは、労働安全衛生マネジメントシステムの監査をすることが可能です。労働安全衛生法第28条2において、以下のように定められています。
「危険性・有害性などの調査と低減措置を講ずることに努める義務」
それに伴い、リスクの特定と見積もりや評価、提言措置の実施が必要になります。
各教育の講師
労働衛生コンサルタントは、安全管理教育を始めとした各教育の講師業務をすることが可能です。なお、安全管理者になるためには、9時間の研修をする必要があります。
安全管理者業務
安全管理者の設置が困難な中小企業の事業所や、複数の安全管理者が必要な大きな事業所もあるでしょう。この場合、外部の労働安全コンサルタントが必要になります。
労働遠征コンサルタントの資格を保有していれば、外部委託の安全管理者業務に携わることが可能です。小さな事故はもちろん、大きな事故を防ぐためにも事業所にとって労働衛生コンサルタントの存在は大切と言えます。
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労働衛生コンサルタントと産業医の違いは?
労働衛生コンサルタントと産業医の違いは、どういった部分なのでしょうか。まずは、それぞれの違いを簡単に見てみましょう。
労働衛生コンサルタント | 産業医の違い | |
---|---|---|
選任の義務 | 無 | 有 |
仕事内容 | 事業所の衛生管理 | 健康診断の実施、面接指導、ストレスチェックの実施、健康相談 |
必要となる 資格の違い | 医師免許:無 | 医師免許:有 |
選任の義務
最も大きな違いとして挙げられるのが、労働衛生コンサルタントは選任義務がないという点です。
労働衛生コンサルタントは事業者と契約を結んで労働環境の衛生面を診断および指導することが業務ですが、事業者は労働衛生コンサルタントを選任する義務を負うものではありません。
しかし、産業医は労働安全衛生法第13条によって一定の要件を満たす場合には事業者が選任する法的義務を負います。事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場について、法に従い、産業医を選任しなくてはなりません。また、産業医は労働安全衛生管理体制の重要な一部を担っており、場合によっては事業者に対して勧告をすることも可能です。そのため、労働衛生コンサルタントに比べると産業医のほうが法的な位置づけは重いと言えるでしょう。
仕事内容
労働衛生コンサルタント
事業場の衛生についての診断や指導をします。
業務内容は事業所の衛生管理が主です。
似たような資格として労働安全コンサルタントがありますが、こちらは事業場の安全についての診断や指導をします。違いとして、名前の通り労働衛生コンサルタントは労働上の衛生指導、労働安全コンサルタントは労働上の安全指導を行います。労働衛生コンサルタントは現代社会の問題として挙げられる高齢化社会やメンタルの問題に関心が高まっていることから、数が足りていません。
産業医
産業医の業務内容は労働安全衛生規則第14条第1項によって定められており、例として、健康診断の実施、面接指導、ストレスチェックの実施、健康相談などがあります。産業医には嘱託と専属の2種類がありますが、業務内容の違いはありません。内容は労働者の健康管理が主です。そのため、産業医は労働上の衛生面、安全面の両方を指導する必要があります。
必要となる資格の違い
医師免許の有無
労働衛生コンサルタントと産業医の明確な違いは、医師免許の有無にあります。産業医は医師免許がなければ従事できません。
一方、労働衛生コンサルタントは医師免許を所持していない場合でも従事できます。ただし、労働衛生コンサルタントになるためには受験をし、国家資格を取得しなくてはなりません。
労働衛生コンサルタントは一次試験の筆記試験と、二次試験の口述試験の2つがあります。難易度は非常に高く、合格率はおよそ3割ほどです。そのため、医師免許が不要であるから簡単になれるというわけではありません。
当然、労働衛生コンサルタントの資格を所有する医師も存在するでしょう。しかし産業医になるには、まず医師の資格を取得する必要があります。
事業所への指導や改善策の立案を行い、労働者の健康管理に関する業務をするといった点では似ているかもしれませんが、労働衛生コンサルタントは産業医として業務をすることはできない点に注意しましょう。
産業医の中には労働衛生コンサルタントの資格を有しているケースもあり、近年は労働衛生コンサルタントの資格を持つ産業医を選任したいと希望する企業や事業所が増加しています。そのような産業医を探したい場合は医師会への相談や、産業医紹介会社に相談するとよいでしょう。
まとめ
労働衛生コンサルタントと産業医は、どちらも重大な責任を担う業務です。共通していることは、事業所や従業員たちのために与えられた仕事をしっかりこなすことです。従業員の健康管理をするためにも、優秀な産業医を選任することは重要と言えます。優秀な産業医をお探しの場合は、産業医クラウドにお問い合わせください。各企業のお話をしっかり伺った上で、よりピッタリな産業医を探し出します。
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