最近は資格や様々な肩書を持っている方も多い時代となりました。
資格の種類や肩書の名称も実に豊富で、中にはユニークな名称も存在します。
その中でも、「職場カウンセラー」という名称を聞いたことはありませんか?
職場カウンセラーは、現代社会において必要な存在として今後注目されていくといわれています。
今回は、職場カウンセラーについて解説します。
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職場におけるカウンセリングの重要性
過重労働に長時間労働、人間関係や業務内容の変更や拡大は、従業員に過大なストレスを与え、場合によってはメンタルヘルス不調発生のリスクもあります。
2020年は、新型コロナウイルス感染症で通常業務が困難になったほか、感染症予防対策の徹底化も問われ、それに伴うテレワーク導入に伴い働き方が大きく変化した一方、新たなストレス発生も問題視されております。
コロナストレスのほか、テレワークへの不安やトラブル発生時にかかるストレスなどから、メンタルの不調が引き起こされることも考えられるため、メンタルヘルス対策は重要です。
テレワークは孤独な作業でもあり、人と対面しないからこそ、通常業務よりも周囲のメンタルの不調に気付きにくく、対応が遅れてしまいかねません。
メンタルの不調は早期発見・対応が重要なため、様々な場面から対策を張り巡らせることがポイントになるでしょう。メンタルの不調への対策の一環として、職場におけるカウンセリングが重要です。
平成30年度、厚生労働省による労働安全衛生調査の結果、仕事や職業生活に関わる場面において、強いストレスを感じる事柄がある労働者の割合は、58.0%というデータが発表されました。
主なストレスの内容として「仕事の質・量」が59.4%、「仕事の失敗、責任の発生等」が34.0%、「対人関係」が31.3%という結果になりました。このデータからも、仕事や職場に対して強いストレスを感じている人が多いことが分かります。ストレスの種は様々であるため、4つのメンタルヘルスケアを早期段階で行うことが重要になってきます。
4つのメンタルヘルスケアとは?何に影響する?
メンタルヘルス対策として挙げられる4つのストレスケアについて、簡単に説明します。
- セルフケア:独自で実施できるケア。
- ラインケア:管理監督者が実施するケア。
- 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:産業医に保健師、人事労務管理スタッフが実施するケアになります。
- 事業場外資源によるケア:企業外の専門的機関(病院やクリニックなど)や専門家(医師や外部カウンセラーなど)を活用するケアになります。
特に企業で実施するケアは従業員を守るためにも重要となってくるため、ラインケアや事業場内産業保健スタッフ等によるケアが大きなポイントです。職場でカウンセリングを実施することはメンタルヘルス対策のためのケアとなり、特に直接カウンセリングすることで従業員の気持ちの軽減化が期待でき、企業側も問題改善に向けて動くことが可能になります。
4つのケアの「セルフケア」「ラインケア」について、それぞれをスライドでわかり易く解説解説!
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カウンセリングが役立つ例
「身の回りに相談ができる人がいない」という人の存在への手助け
平成30年度に実施された調査によりますと、仕事や職業生活での不安や悩み、ストレスについて相談したことのある労働者の割合は80.4%となり、相談相手につきましては「家族・友人」が 76.3%、「上司・同僚」が69.7%となりました。
こうして見ると、上司や同僚よりも家族や友人の方が相談しやすい対象であることが顕著にあります。特に、職場や仕事での悩みであればそれだけ、上司や同僚には相談しにくくなる傾向があるのではないでしょうか。そのような場合にも、職場がカウンセリングの場を提供することで、「プライベートで相談できる人がいない」方や「同僚や上司には相談しにくい」という方への大きなメンタルヘルス対策になります。
企業の業績に影響を与える
業務成果を出したいのであれば、従業員のメンタルヘルスケアはより有効的な手段です。
メンタルの不調によって、プレゼンティーズムやアブセンティーズムが引き起こされる可能性があります。対して、心身ともに健康であればそれだけ作業効率もアップすることが見込めます。
1人でも多くの従業員が健康であれば企業全体の作業効率も良くなり、企業の業績に影響を与えます。今後の業績のためにも、早期的なメンタルヘルス対策や社内カウンセリングは重要になってくるといえるでしょう。
一種の社会的責任を果たす
従業員のメンタルヘルス不調の発生はその企業の責任を問われますし、不調者が多ければそれだけ、企業の品質を問われるでしょう。
従業員の健康管理も企業の大切な役割であり、そのためにも企業のメンタルヘルスケアは一種の社会的責任でもあるといえます。
企業は従業員を守る場でもあり、従業員のメンタルヘルス不調防止のためにも、普段からメンタルヘルス対策やケア、カウンセリングの場を設けるなど対策を施すことが、経営者・役職者としても重要です。
企業でメンタルヘルスケアに取り組むことは企業としての信頼も見込まれ、それだけ社内外からの企業のイメージアップにも繋がっていくでしょう。
職場カウンセラーとは?
職場カウンセラーとは、職場で働く従業員を対象としたカウンセリングを実施するカウンセラーです。人間関係をはじめ、仕事上の悩みやメンタルヘルスの不調など、職場で働く人の心をケアします。従業員のストレス対応と管理、職場環境の改善からモチベーション管理まで幅広く対応し、従業員のサポートを行います。職場カウンセラーは、「産業カウンセラー」「企業内カウンセラー」「事業所内カウンセラー」「社内カウンセラー」などと呼ばれることもあります。
産業カウンセラー
産業カウンセラーとは、従業員が抱える問題や悩みを聞き出し、心理学的視点から援助していくための資格です。
職場カウンセラーと似ていますが、産業カウンセラーは一般社団法人異本産業カウンセラー協会が認定した資格がなければ従事できません。
専門知識を有する産業カウンセラーは、心理学的技法によって従業員のメンタルヘルスをサポートすることが業務であり、メンタル対策以外にもキャリア形成支援や職場環境の改善も業務に含まれています。
メンタルヘルスケアの一環として従業員との対話が重要であり、相談時には従業員側の意見に耳を傾け、従業員の心に寄り添う療法が特徴です。
なお、産業カウンセラーの資格を取得した後は「シニア産業カウンセラー育成講座」を受講することで、シニア産業カウンセラーにスキルアップもできます。
企業内カウンセラー
産業カウンセラーは民間資格ですが、企業内カウンセラーはあくまで産業精神保健で活動を行う心理カウンセラーの総称です。
産業カウンセラーのように資格を有する必要がないため、職場カウンセラーのことを企業内カウンセラーと表記する場合もあります。
企業内カウンセラーは経済状況を含め職場環境の変化、従業員のメンタルヘルスケアを行うことが業務です。
休職中の従業員のメンタルヘルスケアによって職場復帰支援を行うなど、従業員が健康で長く勤められる職場を支える役割があります。
なお、企業内カウンセラーは厚生労働省が策定した「労働者の心の健康保持増進のための指針」で重要とされている4つのケアのうち、「内部産業保健スタッフなどによるケア」「外部の心理専門家など事業場外資源によるケア」の2つを担っています。
事業所内カウンセラー・社内カウンセラー・企業内カウンセラー
上記のカウンセラーは職場カウンセラーと同様に、職場内において従業員の悩みや問題に対応します。
職場カウンセラーの主な役割
職場カウンセラーは、その名の通り職場が活躍の場とされており、従業員が抱える問題や悩みに対応していきます。
近年はストレス社会といわれており、メンタルヘルス問題の対策や回復のためにも欠かせない存在となりました。
職場カウンセラーが活躍する場所は民間企業だけでなく、公的機関や医療機関をはじめ、多岐にわたります。近年では産業カウンセラーの有資格者も増えているのではないでしょうか。
メンタルヘルス対策への援助
産業カウンセラーは、従業員に寄り添い、メンタルヘルス対策を踏まえた援助を行います。
メンタルヘルスの問題はとてもデリケートです。カウンセラーのふとした発言で従業員の気持ちを傷つけてしまうことも考えられます。
特に過労死や過労自殺は現代社会において深刻な問題となっているため、そのような事態を防止するためにも従業員に寄り添って対応していくことが、大切な役割の一つと言えるでしょう。個別カウンセリングによるメンタルヘルスケア及びストレスコントロールを行うことがどのような職場であっても求められています。従業員が抱える問題の原因となるストレッサーを把握し、企業側がコントロールできるように努めるためのサポートが重要です。
キャリア開発の援助
キャリアアップに伴い、従業員に責任感や負担が増え、それぞれ新しい悩みも発生するのではないでしょうか。
キャリアアップに比例して増える悩みなどに対して、的確なアドバイスを助言することも、職場カウンセラーの大切な役割です。
厚生労働省でも、従業員へのキャリアアップサポートとしてキャリアコンサルタントの養成を行なっています。
産業カウンセラーもキャリアコンサルティングの一部であり、従業員のQOL(Quality Of Life)実現に欠かすことができません。
職場の人間関係開発への援助
快適な職場を実現するためにも、職場の人間関係開発を援助していくことも職場カウンセラーの大切な仕事です。
職場内の悩みとして、従業員の人間関係やハラスメントの相談に乗り、問題の対策や新たな組織づくりの提案などを実施します。
従業員一人ひとりに寄り添うことは大切ですが、全体にアプローチすることで総合的なメンタルヘルス対策につながります。
人間関係の開発には男女共同参画社会を形成することも含まれており、企業内だけでなく社会全体で求められていると言えるでしょう。
職場カウンセラーは、快適な職場づくりを目指す企業にとっては大切な存在です。
マニュアル的に業務をこなすのではなく、従業員一人ひとりと信頼を築き、快適な職場づくりに貢献することが、企業に携わる職場カウンセラーとしての役割です。
特にメンタルヘルス問題が深刻化している現代だからこそ、職場カウンセラーは必要な存在として注目されているのかもしれません。
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最も注目を集めるカウンセラーは産業医
職場の悩みは、職場の状況を把握した産業医への相談も活用しましょう。
50名以上の従業員を有する職場は、産業医が存在します。その場合、面談という名目で、産業医によるカウンセリングを受けることが可能です。
面談は、産業医により面談が必要と判断された場合のほか、従業員が産業医との面談を希望した場合でも受けることが可能です。
産業医との面談をする予定がない場合も、不安や心配事があれば、産業医との面談を希望してみてはいかがでしょうか。
産業医は医師の資格を有した上で、特定の要件を満たした場合に認定されるため、より高度な専門知識を持つ存在といえるでしょう。
専属産業医となれば職場の従業員と似たような勤務形態になるため、職場内の状況をより把握しているといえますし、嘱託産業医も定期的に職場訪問を実施しています。
職場環境を熟視している産業医であれば、それだけ相談に対応可能かもしれませんし、より具体的なアドバイスや指導が期待できるかもしれません。
従業員の健康維持
職場巡視や面談、健康診断結果のチェックやストレスチェックの実施、衛生委員会への参加や衛生講和まで多種多様です。
従業員との面談を通じながら健康管理や回復に向けた指導や助言をしていき、必要な情報を職場に伝えます。
健康診断結果に初見があれば今後の勤務が可能か判断を下し、初見がなくとも気になることがあれば従業員と面談という名目で健康指導や栄養指導、運動指導をする場合もあります。
労働環境整備
産業医は、職場巡視を通じて労働環境設備をしていきます。
衛生委員会では、従業員の健康障害防止対策や健康保持増進対策、労働災害の原因や再発防止対策などについて審議しますが、産業医は専門的立場から意見をします。職場巡視や衛生委員会を通じて産業医は必要な意見をしながら、労働環境設備に努めます。
退職・休職率の軽減
産業医によるカウンセリングなどによって、メンタルヘルス問題が改善され、退職・休職率を軽減する効果が期待できます。
従業員が退職・休職をするということは、それだけ業務が滞ることになります。
他の従業員の業務内容や負担が増え、新たな従業員を採用する場合は教育が必要です。
場合によっては他の従業員が過大なストレスを抱え、新たな問題が発生してしまう可能性もあります。
産業医はメンタルヘルス問題に対応するために必要な存在であるため、人に相談しにくい心の問題や悩みについて相談をすることも可能です。
特に信頼できる産業医であればそれだけ、従業員も相談しやすいでしょう。
従業員のメンタルヘルス問題に対応し、自信ややる気を取り戻すために職場カウンセラーの存在と同時に、産業医の存在も重要と言えます。
まとめ
テレワークが普及している昨今では、オンラインカウンセリングの導入もおすすめです。
オンラインカウンセリングなら、ウイルスの感染リスクを抑えられる、時間の調整がしやすい、場所を選ばないなどのさまざまな利点があります。
また、カウンセリングを受けていることを周囲に知られにくいという点もメリットのひとつです。
職場カウンセラーも産業医も、従業員に寄り添った対応ができる理解のある人材の採用が、職場環境改善のポイントとなってくるでしょう。
従業員の休職や退職の予防の実現を目指すのでしたら、「未来型産業医」を紹介している産業医クラウドで産業医専任をご検討してみてはいかがでしょうか。
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