https://www.avenir-executive.co.jp/sangyoui/column-list/column-200409-2/
2020年、新型コロナウイルスという前例のないウイルスにより全世界が脅威に脅かされましたが、それに伴い、企業の勤務体制のあり方や従業員の健康維持に対する取り組みもこれまで以上に注目されたのではないでしょうか。
同時に様々な助成金制度につきましても、これまで以上に注目されていることと思いますが、健康経営におきましても、様々な助成金制度があることはご存知でしたか?
今回は、健康経営において利用できる助成金について見ていきたいと思いますので、これから助成金を最大限に活用されるためにも参考にされてみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、あなたの企業で利用できる助成金が発見できるかもしれませんよ。
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健康経営とはどんな経営?
「健康経営ってどんな経営になるの?」と気になる方も多いと思いますので、まずは健康経営について簡単に見ていきましょう。
健康経営の定義
健康経営とは、その単語の響きから、何だか戦略的な意味合いを含むものをイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実際に健康経営の定義は、「企業が従業員の健康管理をすることで、企業の将来的な利益を見込むことができる」という概念の基、従業員の健康管理を戦略的に実践する取り組みを意味します。
更に簡単に述べますと、企業が従業員の健康維持や回復に向けた有効的な取り組みを実践することが、健康経営になってきます。
「病は気から」という言葉もありますが、心と身体は繋がっていると定義されることも多く、同時に心身の状況が業務に大きな影響を与えることは多くの方にとって周知の事実でしょう。
従業員に健康的にかつ効率的に勤務してもらうためにも、医療費のトータル的な削減のためにも、更には企業のイメージアップのためにも、健康経営は有効的な取り組みになってきます。
健康経営の具体的な施策
「従業員の健康管理を戦略的に実践する取り組み」といわれてしまうと、どこか堅苦しい印象を覚える方も多いでしょうが、健康経営の具体的な施策は実にシンプルなものとなります。
例を挙げますと、普段実践されている企業の健康診断ですが、企業が費用を負担してくれるケースも多いでしょう。
健康診断費用の負担や補助も健康経営の取り組みの一環となりますし、ストレスチェック実施や産業医による面談強化、健康セミナーの実施も健康経営の施策として挙げられます。
それ以外にも、健康回復や維持に繫がる健康イベント(社内ウォーキングやヨガイベント等)や、福利厚生の充実(社内食堂の完備やオフィスコンビニ設置、スポーツジムや宿泊施設の利用等)も、健康経営の施策として挙げられます。
従業員の健康維持や回復のためには、日常業務以外にも時間外の場で、従業員の心身をリフレッシュすることが大切となりますので、その機会を企業が様々な形で提供することも大切になるでしょう。
実際にテレワークの導入も、通勤にかかる費用や負担、時間削減に繋がり、従業員の心身の安定を図るためにも有効的な健康経営の取り組みとして今後より注目されるかもしれません。
健康経営の施策は、従業員の健康維持や回復を目的とした内容となりますので、実践内容に括りはありませんので、中にはユニークな取り組みを実践している企業も存在します。
もしかしたら今後も、よりユニークで個性的な取り組み事例も発表されるかもしれませんね。
健康経営に利用できる助成金
健康経営では助成金を上手に活用することがポイントとなってきますが、利用できる助成金についてある程度把握しておくことがポイントとなりますので、これから健康経営に利用できる助成金を見ていきましょう。
ストレスチェック助成金
ストレスチェック助成金とは、従業員数50人未満の事業場が、医師や保健師によるストレスチェックを実施し、ストレスチェック後の医師による面接指導などを実施した場合、費用の助成を受けることができる制度です。
ストレスチェックを実施した場合、1名の従業員に対し上限500円とした実費額が支給され、ストレスチェック後の面談指導を受けた場合、1活動につき21,500円を上限とした実費額が支給されます。
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1255/Default.aspx
時間外労働等改善助成金
時間外労働改善等改善助成金は、勤務間インターバル導入コースとも呼ばれます。
勤務間インターバル導入とは、勤務終了後から次の勤務時間までに一定時間以上の休息時間を設け、労働者の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働防止を図るものになります。
支給対象要件を満たした中小企業が申請することができ、休息時間数や「新規導入」に該当する取り組みの有無により、支給額が決定します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150891.html
2020年度より、新型コロナウイルス感染症対策としまして、新たにテレワークを導入された企業様や、特別休暇の規定を整備された企業様も多いでしょう。
そういった制度を導入された中小企業を支援するため、時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)の特例的コースを設けることが新たに公表されましたので、こちらも併せて参考にされてみてはいかがでしょうか?
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10037.html
業務改善助成金
業務改善助成金とは、中小企業と小規模事業者の生産性向上を支援するため、事業場内で最も低い賃金の引上げを図るための制度となります。
生産性向上に必要な設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)を実施し、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合におきまして、設備投資にかかった費用の一部を助成する制度です。
引き上げ額や対象従業員数により、助成上限額が決定しますが、事業所内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内であり、従業員数100名以下の事業所が助成対象となります。
職場定着支援助成金
職場定着支援助成金とはその名前の通り、従業員の定着率アップのための助成金制度となり、協同組合団体に加入している企業の人材確保、従業員の職場定着を支援するための助成制度となり、事業主に助成を行う個別企業助成コースと、組合に助成をする中小企業団体助成コースの2つが存在します。
職場定着支援助成金制度は、雇用管理制度助成コース介や護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース及び介護労働者雇用管理制度助成コースに細分化されます。
制度導入助成や機器導入助成、制度設備助成や目標達成助成等が定められておりますが、その中でも目標達成助成は、雇用保険一般被保険者の人数により、低下させる離職率の目標値が異なることが特徴といえるでしょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/teityaku_kobetsu.html
職場環境改善計画助成金
職場環境改善計画助成金は、職場の環境改善を目的とした助成金となりますが、こちらの制度も従業員の定着率アップを見込んだ制度といえるでしょう。
こちらは、ストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえながら専門家の指導に基づき、職場環境改善計画を作成し、職場環境の改善を実施した場合に負担した指導費用の助成を受けることができる制度です。
職場環境改善計画助成金制度は、事業所コース(旧Aコース)と建設現場コースが存在します。
受動喫煙防止対策助成金
喫煙防止対策は長年の課題でありますが、2020年4月に健康増進法が改正され、屋内禁煙が義務化されました。
それに伴い、職場での受動禁煙防止対策を実施する際に費用の一部を支援する、受動禁煙防止対策助成金を活用することができますので、喫煙防止対策の際に活用されてみてはいかがでしょうか?
労働者災害補償保険の適用事業主であり、尚且つ中小企業事業主であることが受給要件となり、業種により常時雇用する従業員数や資本金要件が異なりますので、事前確認をしておきましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000511280.pdf
心の健康づくり計画助成金
心の病気は深刻な課題であり、目に見えないからこそ早期発見や対応が重要となりますが、そのためにも心の健康づくりへの取り組みは大切になってきます。
心の健康づくり計画助成金は、事業主が各都道府県にある産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言や支援に基づいた上で、心の健康づくり計画を作成し、計画を踏まえて対策を実施した場合、助成を受けることができる制度です。
健康経営の取り組みの一環でもあるメンタルヘルス対策としまして、こちらの制度活用をご検討されてみてはいかがでしょうか?
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1264/Default.aspx
治療と仕事の両立支援助成金
今現在、がんや脳卒中、心疾患や糖尿病、肝炎等様々な疾病を抱えながらも働かれる方も多いでしょう。
こちらの制度は、様々な疾病を抱える労働者の方が治療を受けながら働き続けることができるよう、厚生労働省が推進している取り組みとなります。
こちらの制度は設備コースと制度活用コースの2つのコースが存在し、事業所に両立支援コーディネーターが設置されているかどうかにより、コースが異なってきます。
事業所に両立支援コーディネーターを配置する場合は環境設備コース、既に両立支援コーディネーターが配置されており、活用の上で両立支援プランを策定する場合は制度活用コースに区分されることが特徴といえるでしょう。
小規模事業場産業医活動助成金
産業医設置は、50名以上の従業員が勤務する事業所に設置することが義務付けられておりますが、一方で50名未満の事業所では、産業医設置は努力義務とされております。
とはいいましても、産業医の活用は注目されており、小規模事業所の場合によりましては産業医設置を求められるケースもあるのではないでしょうか。
そのような場合、こちらの小規模事業所産業医活動助成金制度を活用することが可能です。
産業医コースと保健師コース、直接健康相談環境整備コースの3コースが存在し、活用する対象が産業医か保健師か、同時に産業医と直接健康相談のできる環境を設備したかどうかにより、コースが異なります。
産業医設置が義務付けられていない小規模事業所で大いに活用できる助成金制度となりますので、こちらの助成金を活用されることで、産業医設置をご検討されてみてはいかがでしょうか?
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健康経営のために助成金を活用する際のポイント
助成金の種類についてある程度把握しておけば、必要な助成金を早めに申請することができるかもしれません。
一方で、助成金を活用するためのポイントを踏まえておくことで、手間や負担を最小限に抑えることもできると思いますので、これから助成金を活用する際のポイントを挙げていきたいと思います。
助成金の種類や対象、条件などをしっかり把握しよう
助成金の種類につきまして、先述でざっくり説明しましたが、助成金は様々な種類があると同時に、その中にも様々なコースに分類されるケースもあります。
受給対象や条件もそれぞれ異なり、事前に把握しておかなければ、書類を用意したにも関わらず申請が通らないケースもあるでしょう。
そのため事前に助成金の種類や対象、条件など必要事項を把握しておくことが大切になってきます。
実現可能な計画を立てること
助成金は、計画を踏まえた上でその計画に沿って実践をされているかどうかで受給できるか明暗が分かれるといえますが、そのためにも、実現可能な計画を立てることが重要となります。
実現可能な計画といわれても、ピンと来ない事業主の方もいらっしゃるかもしれませんので、助成金に詳しい第三者を活用して計画を立てることが有効的になってくるかもしれません。
申請期日に間に合うよう準備しておくこと
様々な手続きには期日が存在しますが、当然ですが、助成金の申請にも申請期日が存在します。
期日に遅れてしまうことで、受けられる助成金が受けられなくなってしまうかもしれませんので、申請期日に間に合うように準備しておくことが大切になってきます。
産業医設置に助成金を利用するなら
産業医の設置には助成金を利用することが可能ですし、産業医活動ともなるストレスチェックや事後措置もまた、助成金を活用することが可能です。
同時に助成金活用のできる活動の中には、産業医の存在が欠かせない取り組みも存在しますので、この機会に産業医設置をご検討されてみてはいかがでしょうか?
質の高い産業医を探そう
産業医設置をする際に大切なことは、質の高い産業医を探すことです。
質の高い産業医といいましてもピンと来ない方も多いでしょうが、産業医に求められることは仕事に対する姿勢といえるでしょう。
与えられた産業医業務を実施することはもちろんですが、従業員に寄り添った対応ができるか、必要な措置を取ることができるかどうか、実力はあるか求められてきます。
特に2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、その時の対応や感染拡大予防法も注目されましたが、質の高い産業医であれば、より適切な対応が可能になるのではないでしょうか?
万が一、「名義貸し産業医」を設置してしまった場合は、場合によりましては罰則に該当しますので、注意が必要ですので、産業医設置の際には質の高い産業医かどうか見極めることがポイントです。
まとめ
健康経営は助成金を活用しながら実施することが、より効率的で賢い方法ともいえますが、そのためにも様々な助成金制度についてある程度把握しておくことが大切になってきます。
産業医設置に活用できる助成金制度はもちろんですが、産業医を活用できる助成金制度も存在し、いずれにせよ有効的な助成金の使い方をするためにも、質の高い産業医を選任することが大切といえます。
いざという時により適切な対応をするためにも、従業員の健康のためにも、この機会に質の高い産業医設置をご検討されてみてはいかがでしょうか?
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