産業医になるためには必要な要件を満たす必要があります。その中の一つが日本医師会認定産業医という資格です。日本医師会認定産業医には有効期限があり、更新するためには必要な研修を受けることが必要です。
今回は日本医師会認定産業医資格について解説します。
コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?
産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。
→「産業医クラウド」のサービス資料を見る
日本医師会認定産業医資格とは
まずは、日本医師会認定産業医資格がどんなものかについて解説します。
産業医認定に必要な要件
産業医は、医師免許所有者である前提であることに加えて、以下いずれかの要件を満たす必要があります。
- 厚生労働大臣が指定する法人が実施する、労働者の健康管理に必要な医学知識に関する研修を修了した者
- 産業医の養成等を目的とした医学の正規の課程を設置している産業医科大学、その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにて、当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修した者
- 労働衛生コンサルタント試験(試験区分は保健衛生)に合格した者
- 学校教育法における大学において、労働衛生に関する科目の教授、准教授または講師(常時勤務する者に限る。)の職にあるか、かつてあった者
- 上記の者のほか、厚生労働大臣が定める者
今回のテーマでもある、日本医師会認定産業医資格は1.に該当します。
日本医師会産業医資格について
日本医師会産業医資格とは、産業医の資質向上と地域保健活動の一環である産業医活動の増進を目的とした制度となります。
所定のカリキュラムに基づいた産業医学基礎研修50単位以上を修了、または同等以上の研修を修了した医師に対し、日本医師会認定産業医の認定証が交付されます。
こちらの日本医師会認定産業医の認定証交付には、医師による申請が必要になります。
日本医師会認定産業医資格に必要な研修
日本医師会認定産業医資格を取得するためには、必要な研修を受ける必要があります。
〈基礎研修〉
日本医師会認定産業医資格を取得するためには、基礎研修を受ける必要があります。基礎研修は日本医師会、都道府県医師会において実施されます。
〈基礎研修の内容〉
基礎研修は50単位以上の習得が必要であり、1時間の研修を1単位とします。
前期研修(14単位以上) | ・総論:2単位 ・健康管理:2単位 ・メンタルヘルス対策:1単位 ・健康保持増進:1単位 ・作業環境管理:2単位 ・作業管理:2単位 ・有害業務管理:2単位 ・産業医活動の実際:2単位 前期研修は、それぞれの単位習得が必要となります。 |
---|---|
実地研修(10単位以上) | 職場巡視という実地研修を主とした、作業環境測定実習の実務的研修になります。 |
後期研修(26単位以上) | 地域の特性を考慮した研修で、実務的でやや専門的・統括的な研修になります。 |
申請手続き
日本医師会認定産業医資格の称号を得るためには申請をする必要がありますが、申請手順について説明してみましょう。
必要な資格
日本医師会認定産業医の申請をする際には、いずれかに該当している医師である必要があります。
- 医師会が実施する基礎研修50単位以上を修了していること
先述した、認定産業医資格に必要な研修内容を修了している者を指します。
基礎研修最終受講日より5年以内に1回限り申請できますが、終了後は速やかに申請する必要があります。 - 産業医科大学産業医学基本講座修了者・産業医科大学産業医学基礎研修会集中講座修了者
日本医師会認定産業医基礎研修修了者以外にも、上記に該当する産業医は認定産業医の申請をすることが可能です。
基本講座または集中講座修了者の申請は、修了認定日より5年以内に1回限り申請が可能です。
必要な書類
日本医師会認定産業医資格の申請に必要な書類は以下の通りです。
特定産業医新規申請書 | この書類は、都道府県医師会に用意してあります。 |
---|---|
医師免許証のコピー | 医師会員の方は不要です。 |
産業医学研修手帳(Ⅰ)、 または産業医科大学産業医学基本講座修了認定証、 産業医科大学産業医学基礎研修会集中講座修了認定証など |
必要な書類を揃えた上で、審査・登録料10,000円を添え、所属の都道府県医師会に提出をします。医師会員でない医師は、勤務地の都道府県医師会に提出をします。
審査
日本医師会認定産業医を認定する審査の流れは以下の通りです。
- 都道府県医師会長による審査
日本医師会認定産業医認定証の交付に必要な書類が提出されると、都道府県医師会長は申請者の状況を審査した上で、日本医師会長に申請をします。 - 日本医師会長による認定
日本医師会長は、都道府県医師会を通じて申請された医師の審査を行い認定した上で、認定証を交付します。
登録
日本医師会は、認定産業医登録台帳に認定証被交付者名を始めとした必要情報を登録します。
コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?
産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。
→「産業医クラウド」のサービス資料を見る
産業医資格は更新手続きが必要?
日本医師会認定産業医資格は有効期限が5年間となっており、その期間内に産業医学生涯研修を20単位以上修了する必要があります。
日本医師会認定産業医は、常に認定産業医の資質維持向上を図ることが重要です。産業医認定証を得て産業医業務に携わる場合でも、副業感覚で適当に業務をこなす産業医の場合は、産業医としての存在意義はありません。業務に励みながら常に学ぶことが大切です。そのため、日本医師会認定産業医の資格を更新する際には、研修を受講する必要があります。
認定産業医生涯研修の研修会は、日本医師会が実施する産業医学講習会で開催されています。そのほか、都道府県医師会や群市区医師会、教育機関などでも受講可能です。日本医師会の産業医学講習会を受講修了することで、労働衛生コンサルタント筆記試験が免除となります。
産業医資格の更新手続き方法
では、日本医師会認定産業医の更新手続きの手順は、どのようになっているのでしょうか。
産業医資格の更新手続きをするためには、必要な研修を受講します。
生涯研修
認定産業医の更新をするためには、更新研修に実地研修、専門研修それぞれ1単位以上を含めた合計20単位以上の習得が必要となります。
- 更新研修(1単位以上)
労働衛生関係法規と、関係通達の改正点などについての研修になります。 - 実地研修(1単位以上)
職場巡視といった実地研修や、作業環境測定実習という実務的な研修になります。 - 専門研修(1単位以上)
地域の特性を考慮した、実務的で専門的、かつ統括的な研修となります。
必要な書類
生涯研修を修了した後、必要な書類を提出します。
- 認定産業医更新申請書
更新手続きが必要な時期に、都道府県医師会より直接送付されます。 - 産業医学研修手帳(Ⅱ)
生涯研修20単位以上のカリキュラムを修了したことが証明されている必要があります。
審査と登録
更新に伴う審査と登録については、新規認定産業医認定証交付の際と同様の内容になります。日本医師会産業医制度について詳しくは、日本医師会のサイトをご覧ください。
産業医活動を行うために資格は必須?
産業医活動を行うためには、産業医の資格が必要です。産業医の資格は、特定の要件を満たしている医師のみが認定をされます。
そのため、医師免許を有する者のすべてが産業医として活動できるわけではありません。産業医の資格の要件を満たしている医師のみが、産業医活動を行うことが可能です。
日本医師会認定産業医の資格がない場合でも、産業医の資格の要件を満たしていれば産業医の業務に携わることが可能です。その中でも、日本医師会認定産業医の資格を取得している産業医は更新に伴い必要な研修を受講しているため、質の高い産業医であるという1つの基準になります。
しかし、産業医にもそれぞれ個性や取り組みに差があることは否めません。そのため、企業にとって優秀な産業医を見極めることが重要です。
まとめ
日本医師会認定産業医の資格は、よりよい産業医として活動するために必要な資格です。
資格の有効期限は5年間であるため、その都度更新が必要ですが、その期間内に産業医学生涯研修を20単位以上修了する必要があります。企業が産業医を選任する際は、日本医師会認定産業医の資格を有していることはもちろんですが、その中でも優秀な産業医を見極めて設置することが重要です。
産業医クラウドでは、それぞれの企業のニーズにマッチした優秀な産業医を紹介しています。産業医紹介サービスのご利用を検討している企業様は、ぜひ産業医クラウドをご利用ください。
コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?
産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。
→「産業医クラウド」のサービス資料を見る