産業医とは単発で契約できる?契約方法から費用感まで紹介

企業において労働者の健康を管理する産業医の存在は必要不可欠ですが、産業医選任の義務がない事業所などは必要に応じて産業医と「単発契約」を結ぶこともできます。

単発契約をお考えの方は、産業医の探し方や大まかな費用について解説しているので参考にしてみてください。

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産業医の役割

産業医の役割について、簡単にご紹介いたします。

産業医の役割

産業医は労働者が心身ともに健康で快適に仕事ができるように、指導や助言を行う専門家のことです。一般的には従業員数が50名を超えている企業や工場などに、労働安全衛生法18条によって設置が義務付けられています。

業務の内容は主に労働環境や健康増進の指導、健康診断の結果から従業員にアドバイスをする、職場の巡視などが挙げられます。なお、休職・復職中の従業員も指導の対象です。2021年からは感染症予防の対策や、テレワーク対策などの主導を担うとして期待を集めています。

産業医と医者は何が違う?

産業医は企業と業務契約を結んでおり、病院ではなく企業で活動します。通常の医者は患者と治療契約を結んで病気やケガの診断・治療を行いますが、産業医は診断や治療を行いません。業務契約を結んでいる企業で労働者が働くことができるかを判断します。なお、産業医も通常の医師と同様に医師免許が必須です。

だし、通常の医師とは違い、産業医としての専門的な知識を有していなければ産業医になることはできません。産業医の要件は、労働安全衛生法第13条第2項によって定められています。

産業医とは単発契約もできる?

産業医の単発契約は可能ですが、産業医の選任義務がある企業は常駐の産業医を設置しておくことが前提です。産業医の選任義務を満たしていれば、必要に応じて別の産業医と単発契約を結ぶことはできます。

産業医の選任義務が発生する基準

50人以上の労働者を抱える企業には、産業医選任の義務が発生します。
労働者数が50人を超えた日から14日以内に産業医を選任する必要があるため、選任義務の発生後は迅速に対応する必要があります。

嘱託産業医と専属産業医

産業医を設置する場合、従業員の数に応じて「嘱託産業医」と「専属産業医」のどちらかを選任する必要があります。それぞれの選任基準についてみていきましょう。

〈嘱託産業医〉

労働者数が50~999人の企業は、1名以上の嘱託産業医の選任が義務付けられています。嘱託産業医は、月に数回企業訪問をしながら産業医業務に携わっていきます。

〈専属産業医〉

労働者数が1,000人以上の企業や有害業務に500人以上が携わる企業は、1名以上の専属産業医の選任が義務付けられています。

3,000人を超える企業になると、2名以上の専属産業医の選任が必要となります。
専属産業医は週に3日以上、1日3時間以上の勤務をしながら業務に携わります。

単発契約ができるケース

ここでは、産業医と単発契約ができるケースを見ていきます。

〈従業員数50人未満の事業所〉

従業員数50人未満の事業所では常駐の産業医を選任する義務はありませんが、必要に応じて産業医と単発契約をすることが可能です。

〈選任した産業医以外の産業医が必要な事業所〉

既に産業医を選任している企業でも、他に産業医が必要と判断した場合は単発契約をすることも可能です。設置されている産業医が男性で、女性従業員が面談で相談しにくい場合、女性の産業医と単発契約をし、面談を実施することもできます。

産業医との契約上の注意

産業医と契約を結ぶ際はどのようなこと注意すべきなのか、こちらでご紹介いたします。

契約の方法

産業医には産業医と直接契約を結ぶ直接契約、紹介会社などの仲介を通して契約する業務委託契約の2種類があります。一般的には専属産業医が直接契約、嘱託産業医が業務委託契約になることが多いですが、紹介会社を通しても直接契約を結ぶことも可能です。

医者という職業への理解

産業医は立場や業務上の違いはありますが、医者であることに変わりありません。そのため、これまで通常の医者としてキャリアを積んできた産業医の場合、これまでの特性や習慣などをよく知っておくことが大切です。医者がどのようなものかを理解することで、誤解やすれ違いを未然に防ぐことができます。

報酬や業務内容について

産業医の報酬の相場は嘱託産業医が月に1度の訪問をする場合で、5~10万円ほどとされています。依頼する業務内容についてはお互いが納得できるように話し合うことが大切です。
なかには医者としての仕事が忙しくても嘱託産業医を務めているケースもありますので、相手の事情などを汲み取る配慮は持つようにしておきましょう。

こんなときに産業医との単発契約がおすすめ

産業医との単発契約が必要となるのは、どのような場面でしょうか。

健康診断結果について指導を行いたい場合

健康診断の結果で「所見有り」の労働者が発生した場合、産業医と面談をすることが望ましいです。

また、健康診断結果で精密検査が必要とされ、企業で就業上の措置が必要とされる場合も、仲介となる産業医がいると対処がスムーズになります。

長時間労働者と面談を行いたい場合

長時間労働が深刻な問題となっている昨今では、時間外労働が80時間を超えた労働者は産業医と面談を通じ、適切な指導や助言を受ける必要があります。長時間労働による過労や寝不足は過大なストレスがかかり、メンタルの不調が引き起こされるケースも珍しくありません。

休職者と面談を行いたい場合

休職者が職場に復帰するには主治医だけでなく、産業医の判断も必要です。休職者と面談をして本人の現状を把握し、企業側との橋渡しを行うことで職場復帰をスムーズにします。

また、復職後再び休職することのないように、職場復帰のプログラムを組むなども主に産業医の仕事となります。

産業医と単発で契約したいときは

産業医と単発契約を結ぶ際の産業医の探し方や大まかな費用についてみていきましょう。

産業医の探し方

産業医の具体的な探し方について解説します。

  1. 医師会からの紹介
    医師会に産業医の紹介を依頼する方法です。各都道府県に医師会があり、地元の産業医を紹介してくれるため、地域に根ざした企業などにおすすめの方法です。
  2. 健康診断機関に相談
    健康診断のタイミングで産業医と単発契約を結ぶこともできます。健康診断の費用に単発契約の費用も含むため、割安になる傾向にありますが
  3. 産業保健センターの活用
    従業員数50人未満の小規模事業所の場合は、独立行政法人労働者健康安全機構が運営している、地域産業保健センターに依頼をすることができます。産業医選任義務のない事業所に無料の産業保健サービスを提供しているため、産業医が必要となった小規模事業所のみ可能な手段となります。
  4. 個人産業医事務所へ依頼
    個人産業医事務所へ依頼をして探す方法です。この方法は産業医のスキルが全体的に高いことが特徴で、優秀な産業医を探す場合に有効でしょう。その反面、予定を組むことが難しくなる、報酬が割高になりやすいなどの傾向があります。
  5. 紹介サービス会社に依頼
    産業医紹介サービス会社に依頼をして探す方法です。登録している産業医の数が多いため、産業医を探しやすいというメリットがあります。質の高い紹介サービス会社に依頼をすれば、スキルの高い産業医の設置が可能となるでしょう。産業医選任後もスタッフが相談に応じてくれるなど、アフターフォローも期待できます。

単発契約の大まかな費用

産業医との単発契約の費用は時間によって変動します。
人数も考慮したうえで検討するとよいでしょう。大まかな費用は以下の通りです。

30分以内 35,000円~
1時間以内 50,000円~
2時間以内 70,000~100,000円
3時間以内 120,000円~
4時間以内 140,000円~

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常時産業医を設置するメリット

単発契約ではなく、常時産業医を設置するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

労働者の健康維持や回復

常時産業医を設置することで労働者の健康の維持や回復を期待できます。
産業医が常時在籍することで企業内部の状況も把握できるため、労働者への適切な助言や指導ができるでしょう。

また、常時産業医がいることで、労働者との信頼関係を築くこともできるので、メンタルの状態なども把握しやすくなるなどのメリットもあります。

安全衛生管理の徹底化

企業での安全衛生管理を徹底化するためには産業医の存在不可欠です。
産業医の業務の中には

  • 労働者との面談
  • 職場巡視
  • 衛生委員会への参加
  • 衛生講話の実施

などが挙げられます。

上記の業務を行い企業に適切な助言をすることで、徹底的な安全衛生管理を可能にします。

産業医の選任義務がない事業所でも産業保健センターや助成金を活用して産業医を選任することが可能なので、メリットを理解したうえで常時産業医の設置を検討してみてはいかがでしょうか。

産業医を探すなら『産業医クラウド』

産業医をお探しでしたら、『産業医クラウド』はいかがでしょうか。産業医クラウドについて紹介します。

もれのない産業保健サービス

企業によって求める産業医や業務支援の内容は異なるでしょう。
産業医クラウドでは、企業ごとにカスタマイズされた提案をすることで、もれのない産業保健サービスを提供していきます。

産業医クラウドでは産業医の標準化実現のため、産業医登録に必要な面接の際は厳しい面接を実施し、その中からスキルの高い産業医を厳選しております。

産業医選任の際には、スタッフが各企業様のお話を伺った上で、よりマッチングした産業医を選任していきます。
産業医選任後も産業医との関係性のフォローを実施しておりますので、訪問日程の調整や産業医に対する相談など、何卒ご相談ください。

仮に産業医との間に問題が発生した場合、相談に応ずる以外にも必要に応じて産業医の交代に無償で対応しております。

全国に対応

紹介サービス会社によっては、対応できる地域が限られているケースが多いですが、産業医クラウドは、全国1,000事業所に対応した実績があります。

他の紹介サービス会社で断られてしまった企業様も、よろしければ一度産業医クラウドにお問い合わせください。

多数のメディア実績

メディアへの出演・掲載の実績が多数ありますので、「産業医クラウド」の名前を見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Avenirのサイトでは、産業医の先生との対談やコラムが掲載されております。

どのような産業医の先生がいるのか知りたい方や、産業医の先生のお話を読んでみたい方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
また産業医クラウドでは、お役立ち読本を無料プレゼントしております。

産業医選任前に役立つ「産業医の選び方読本」を初めとし、「メンタルヘルスのいろは」、「部下の心が折れる前に読む本」も無料進呈しております。

産業医クラウドに依頼できること

次に、産業医クラウドに依頼できる業務を紹介していきます。

衛生委員会への参加議事の提案

委員会でのアドバイスや議事録への署名捺印をします。

健康診断対応

全体結果確認をし、有所見者に対し情報収集や面談をしながら、必要に応じ医療機関の紹介や就労制限の検討、アフターフォローに対応します。

ストレスチェック対応

全体結果を確認し、高ストレス該当者の情報収集をしながら希望があれば面談対応をし、必要に応じ医療機関の紹介や就労制限の検討、アフターフォローをしていきます。

面談対応

過重労働者や面談希望者と面談をしながら情報収集をし、健康問題チェックやアフターフォロー、面談を通じた適切な助言や指導をしていきます。

休職者対応

復職プログラムの運用をしていき、プログラムがない場合はプログラム作成のフォローをしていきます。

職場巡視

職場巡視、およびチェックリストの作成を実施します。

健康教育や衛生教育

企業から希望やニーズがあった場合、適切な講話も行なっています。
産業医クラウドは業医業務全般に対応していることに加え、スタッフが間に入り産業医との関係性のフォローをしていきます。

まとめ

産業医選任義務のない小規模事業所も、産業医との単発契約という形で産業医業務の実施が可能であることが分かりました。

産業医が必要となる場面に応じて単発契約ができるのは便利です。ただし、産業医選任義務が発生した場合に慌てないためにも、早めに産業医選任をご検討してみてはいかがでしょうか。
産業医探しや交代をご検討される際は、産業医クラウドにお問い合わせいただければ、いつでも対応させていただきます。

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