慢性的な睡眠不足が「負債」になる、睡眠負債とは

睡眠負債という言葉をご存知でしょうか。2017年の流行語大賞のトップ10位に入った言葉でありながら、知名度は低く、また睡眠負債による悪影響に対する認識はほとんどされていません。

睡眠負債というのは、スタンフォード大学の研究者によって作られた言葉で、睡眠不足の状態が積み重なり、慢性的な状態になったものです。

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一般的な睡眠不足とは何が違う?

通常、睡眠不足というのは、何らかの事情や原因によって、ある程度の期間続いてしまうことはあっても、またしばらくしたら落ち着き、ある程度の時間は睡眠がとれるようになり、解消されていくものです。

しかし、睡眠負債というのは、体にとって少しだけ睡眠が不足しているという状態が、長期間続き、慢性化した状態のことです。
睡眠不足の場合、眠気やだるさはもちろん、集中力の低下などを引き起こして「嫌でも」睡眠をとって体力を回復させる必要があります。

一方睡眠負債は少しずつ蓄積された睡眠不足の状態の為、急激な変化は起きづらく当然、自覚もしにくいため、目に見えずに、徐々にパフォーマンスが低下していくということです。

適切な睡眠時間については「ねむりの応援団」さんのコラムにも
詳しい説明が記載されていますので、あわせてご参照ください。
関連記事:長時間睡眠はメリットだらけ!適切な睡眠時間と質の高め方

日本は世界的にも睡眠が少ない国

経済協力開発機構(OECD)の2008年から2014年のアンケート調査では、日本人の平均睡眠時間は男性で8時間弱、女性で7時間30分ほどと、世界各国と比べて非常に短くなっています。

世界から見る日本の睡眠

国民の平均睡眠時間(対象年齢15~64歳)
1位南アフリカ     9時間22分
2位中国        9時間02分
3位インド       8時間48分
4位ニュージーランド  8時間46分
5位アメリカ      8時間36分
5位スペイン      8時間36分

28日本        7時間43分
29位韓国       7時間41分
OECD「Balancing paid work, unpaid work and leisure 2014」

日本人はもともと働き者と言われていますが、それは平均睡眠時間でも裏付けられます。また、古くから睡眠は7時間や8時間ほどがちょうどいいとされているせいもあります。

平均的な7時間という時間は確保されているように見えますが、アンケートで一番多かった回答は6時間程度で、次いで5時間ほど、7時間ほどとなります。ほぼ短い順に多くなっており、理想とされる睡眠時間よりも大幅に少ないというのが実態なのです。

睡眠負債は単なるパフォーマンスの低下にとどまらず、認知症や糖尿病、ガンなどのリスク上昇の可能性もあります。また、慢性的な睡眠不足は不眠症やうつ病のリスクも高まる為注意が必要です。

個人差があるため、一概に何時間寝るのがベストというものは、実はほぼありません。
ショートスリーパーという言葉があるように、短時間の睡眠で全く問題がないという方も存在します。

自分の適性の時間で睡眠をとるのが一番ベストですが、それを調べる目安におすすめなのが、午前中に眠気を感じることがあるかどうかです。午前中に眠気を感じるのであれば、それは確実に不足しています。ですがわずかな眠気だと、あまり気にも留めずに、そのままの睡眠時間になり、睡眠負債になる可能性もあります。

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睡眠負債を解消するためには?

―飲酒をしない

睡眠負債の返済は、やはり生活習慣の見直しと、寝具の見直しにつきます。お布団に入ってからもスマホを操作しないとか、寝酒をやめるなどです。

寝つきをよくするために飲酒をしている方もいますが実際お酒には覚醒効果があり血中のアルコールが分解されアセトアルデヒドに変化すると覚醒してしまいます。
睡眠後3時間ごろに突然目が覚めたり、眠りが浅くなったりと睡眠には悪影響です。お酒には利尿作用もありますので、早い時間にトイレで目が覚めるということもあります。

―寝る前にスマートフォンやパソコンを操作しない

スマホやパソコンなどの明るい光も睡眠には悪影響とされています。強い光は入眠を促すメラトニンの分泌を抑制します。近年寝る前にスマートフォンを操作する方も増え、なかなか寝付けないという場合も多くなっています。

どうしても必要な場合は、iphoneのnight shift、androidの夜間モードなどを使ってしのいでください。

睡眠負債はうつ病リスクが増加

慢性的な睡眠不足の原因の一つとして働きすぎがあげられます。不眠症も頑張り屋でまじめな人に起こりやすく、メンタル疾患の大きな要因です。

過重労働を防ぐことで睡眠不足の解消を図るとともに、社員がきちんと睡眠がとれているのかを定期的に調べることでうつ病リスクの削減を図ることが可能です。最近眠れないという社員がいれば要注意となります。

メンタル疾患の予防には普段の仕事の様子だけではなくプライベートな面でも気を配ることが重要です。

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