産業医選任時の助成金「小規模事業場産業医活動助成金」とは?

大きな企業で働く方は産業医ともなじみが深いでしょう。しかし小規模な事業所になると、中には産業医を設置していない企業もあることでしょう。

「産業医を選任する余裕がないから」と金銭的な理由で諦めている事業主の方も、ひょっとしたらいるかもしれません。

しかし、産業医を設置するに当たって、助成金制度があることはみなさんご存知でしたか。

私たちが生活するために、厚生労働省は様々な助成金制度を設置していますが、産業医を設置するための助成金制度があります。今回はその助成金制度について触れてみたいと思うので、参考にしてみてください。

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産業医について

まずはじめに、産業医について簡単に説明します。

産業医とは

産業医とは、企業などにおいて社員の健康管理について、専門的な観点から健康指導などを行う医師のことを指します。

労働者が50人を超える事業所では産業医を設置することが義務付けられているのと同時に、1,000人以上の労働者が働いている事業所は、専属の産業医を選任することが義務付けられています。

そして50人以上3,000人未満の事業所は1人以上の産業医を、3,001人以上の事業所は2人以上の産業医を選任して設置することが義務付けられています。

また、産業医の役割も多岐に渡りますが、産業医は大体以下のような業務に携わります。

  • 月に1回の事業所巡視:毎月職場巡視を行うことで、状況を把握する必要があります。
  • 必要に応じた労働者との面談:特に長時間労働者や面談が必要と判断した労働者と面談をする必要があります。
  • 保健指導:健康診断結果で指導が必要と見なした労働者に対し、保健指導を行います。
  • ストレスチェックの実施:ストレスチェックを行い、必要に応じて面談をします。
  • 衛生委員会への出席:必須ではありませんが、あまりに出席しないと印象が良くないので、産業医の出席率も上がってきているといわれています。

またこのほかにも色々な仕事があるので、産業医のやることは実にたくさんあるといえるでしょう。産業医はまさに事業所と二人三脚となり連携を取ることで、労働者の健康管理を行う必要があります。

そして企業の向上のためにも労働者の健康管理はしっかりやらなくてはなりません。そのため、産業医を選任するに当たって、より優秀な産業医を見極めることが重要といえるでしょう。

産業医の選任方法

では産業医はどのようにして選任するのでしょうか。産業医の選任方法は、実は特に定められていませんが、大体以下のような方法で選任しています。

  • 健康診断実施機関に相談をする:健康診断をしている医療機関などに依頼をする方法です。
  • 地域の医師会に依頼をする:医師会に相談することで産業医を探してもらうことが可能です。
  • 産業医紹介サービスを利用する:紹介サービスを利用すれば、よりスムーズに理想的な産業医を探せるでしょう。
  • 社内の人脈やツテで探す:もし心当たりがあれば、社内の人脈で探すことも可能です。

このように、産業医を選任する方法は色々あります。

しかし産業医を選任するに当たって、ただ単純に「産業医の資格があるから」という方法で選ぶことはリスクも生じます。その理由として、中には完全にアルバイト感覚で産業医をしている医師もいる可能性があるからです。

企業の労働者を管理するに当たって健康管理を行うことは、とても重要なので、1人でも多くの労働者が健康であるために、優秀な産業医を選任することが大切になってきます。
そのため、産業医を見極めることが必要となっていますが、実は多くの方が産業医の能力を見抜くポイントを知りません。
そのため一般人が本当の意味で優秀な産業医を見抜くことは、実に至難の業ともいえるかもしれません。

そして産業医は50人を超える事業所では選任して設置する必要がありますが、50人以下の事業所には、産業医を設置して適切な指導を受けるための助成金制度が存在しています。

そもそも助成金とは?

そもそも助成金とは、どういったお金になるのでしょうか。
申請から取得までの時間について気になる方も多いと思いますので、これから助成金について簡単な説明をしながら、交付されるまでの平均的な期間を見てみましょう。

助成金とは?申請から取得までの時間はどのくらい?

日常生活の中で時に我々はお金が必要になる場面は多々ありますが、必要に応じて手厚い制度が受けられることで、生活の大きな手助けになることもあります。
普段税金や年金を納めておりますが、そのお金は多くの方や企業を補助することとなり、逆に我々も必要に応じ、国や自治体から補助を受けることも可能です。

母子手当や失業保険、障害年金や厚生訓練費など様々な制度がありますが、そのためには審査に通る必要があり、その後は必要な手続きをしていきます。
産業医選任に伴い、そのために必要な費用を補うべく、助成金を活用されることを検討される企業も多いでしょう。

助成金を受けるためには申請をして審査に通り、必要な手続きをしていく必要がありますが、突然助成金に必要な手続きをするように指示されても、迅速に対応することは困難かもしれません。

実際申請を出したところですぐに審査に通ることが約束されるわけではありませんし、審査に通ったとしてもその後必要な手続きをし、交付されるまでにそれなりに時間も要するでしょう。
いざという時混乱しないためにも、助成金制度や、申請から取得までの時間について事前に把握しておくことが大切です。

・助成金とは?

助成金とは、国や自治体の政策と合った活動をしている企業に対し、国や自治体がその活動に対し交付するお金のことを意味します。
助成金の管轄は厚生労働省になっており、要件を満たすことで給付を受けることが可能です。

・助成金の種類

助成金の種類も様々となり、働き方改革に関する助成金となり、健康づくり制度やメンター制度などの導入・実施をすることで、離職者低下活動に取り組む企業に対し支給される、「人材確保支援助成金」があります。
その他にも、社員にスキルアップ研修を受けさせた際、支給される「人材開発支援助成金」、非正規労働者に対し、正社員化といったキャリアアップのための施策を行う際に支給される「キャリアアップ助成金」などが存在します。

その他にも様々な助成金制度が存在しますが、各種助成金につきましては厚生労働省のサイトで調べることができますので、受けられる助成金制度について確認してみてはいかがでしょうか?

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html

・申請から取得までの時間

助成金を受ける際に気になることが、申請してから実際取得するまでの時間になるかと思います。

実際に様々な給付を受ける際にも、申請してから取得まで審査があることはもちろんですが、他にも申請者が大勢存在するため、時間を要するケースが多いでしょう。

それでも数週間~数か月という印象が多いかもしれませんが、助成金は、申請から取得するまでに凡そ1年~1年半かかるケースが多いといわれております。
助成金を受けるためには、申請した後に申請した内容の活動をする必要があり、その活動記録を提出することで承認を受けることができれば、助成金が給付されます。

助成金の審査は決して甘いものではなく、受けるためには実績が求められるため、それなりの年月がかかることになります。
助成金制度を検討される際には、そこを事前に把握しておくことが大切となり、実際の活動実績がポイントとなってきますので、助成金を検討される際には、長期的な観点から検討しておきましょう。

補助金との違い

助成金と似たもので補助金制度というものがありますが、こちらは管轄が経済産業省となり、国や自治体などが政策目的達成のために税金を使い、起業家や中小企業を支援する制度となります。
助成金は一般的に、厚生労働省が行っている雇用関係の助成金のこととなり、国の施策に合わせた活動に対し、給付されるシステムとなってきます。

助成金は実際に活動をすることで支給される実績重視なことに対し、補助金は目的達成のために支給されるため、補助金は将来的利益を見据えた給付金とも捉えられるかもしれません。
助成金は補助金と比較すると、実に無駄なく支給される確率が高いため、それ相当の実績を記録することがポイントになってくるといえるでしょう。

産業医の選任に補助金を利用すべき理由

企業に産業医がいれば、従業員の健康管理を一任することができ、それに伴い従業員の健康維持や回復が見込まれるでしょう。
従業員の健康維持・回復することで、企業の業務回転率がアップし、将来的な利益率も見込まれ、従業員が健康であることで医療費削減につながっていくかもしれません。

同時に従業員が健康であることは、健康被害リスクを軽減させることにもつながりますので、休職・離職率の低下につながっていくでしょう。
そうなることで企業のトータル利益率がアップし、黒字効果が見込まれることに加え、従業員の定着率が良くなり、結果として企業のイメージアップという効果も加わるのではないでしょうか?

将来、企業の利益率が上がれば、その分だけ税金を国や自治体に納めることとなりますが、納めた税金は別の企業・個人の役に立ってきます。

持ちつ持たれつという言葉がありますが、普段必要な税金を納めているからこそ、補助金が必要となり利用できる際には活用することが大切です。
事業は決して単独で成り立っているわけではなく、国や自治体により支えられており、時として手厚い待遇を受けることも可能です。

企業経済を回し、国や地域を発展させるためにも、必要経費をかけることや利益率アップを図るための取り組みは重要になってきます。

産業医選任には経費がかかりますが、それは必要経費でもありますので、企業の将来のために使うべき費用となり、その費用は有効的に使うことが大切ですので、産業医選任はポイントを踏まえて行う必要があります。

補助金を利用するためにも、良質な産業医を選任していくことが企業の将来のためにも、国や自治体のためにも重要な項目となってきますので、産業医選任時には優秀な産業医について把握しておきましょう。

小規模事業場産業医活動助成金とは

産業医は、常時50人以上の労働者が勤務する事業所に設置することが義務付けられています。しかし50人以下の事業所にも産業医を設置することが可能で、それも無料で設置することが可能です。

ではどうして無料で産業医の設置をすることが可能なのでしょうか。

それは、「小規模事業場産業医活動助成金」という制度があるからです。
こちらは、小規模な事業所でも産業医を設置し、適切な指導を受けるための支援の一環として誕生した制度になります。

またこの小規模事業場産業医活動助成金には、以下の3つのものがあります。

  • 産業医コース:産業医と、産業医活動のすべて、もしくは一部を実施する契約をし、実際に産業医活動が行われた場合に実費を助成するコースです。
  • 保健師コース:保健師と、産業保健活動のすべて、もしくは一部を実施する契約をし、実際に活動が行われたら実費を助成するコースです。
  • 直接健康相談環境設備コース:産業医と産業医活動契約、もしくは保健師と産業保健活動契約のいずれかに該当する産業医か保健師に対し、労働者が直接相談できる環境を設備した場合に助成するコースです。

大きな事業所は労働者も多く、その分しっかり健康管理を行う必要がありますが、それは小規模の事業所も同じです。
人数が少ないからこそオーバーワークになるパターンもあれば、濃密な人間関係によりメンタルの問題が深刻化してしまうケースもあるでしょう。
そのため、小規模事業所も助成金制度を活用し、産業医を設置する必要があります。

助成金額

小規模事業所産業医活動助成金額を受ける際に、まず気になる点が受けられる助成金額かと思いますので、助成金額について見ていきましょう。

【産業医コースと保健師コース】

産業医コースと保健師コースは、1事業所につき6か月ごと100,000円を上限とした支給を2回限り助成していきます。

【直接健康保健産業設備コース】

直接健康保健産業設備コースの場合は、1事業所ごとに一律100,000円を2回限り支給します。
いずれのコースも、トータルで上限200,000円の支給を受けることが可能です。

小規模事業場産業医活動助成金を受けるには

助成金を受けるために必要な要件、申請に伴う手続きや書類が気になる方も多いでしょうが、次に助成金を受けるための要件や手続きの流れをざっと説明していきたいと思います。

助成金を受けるための要件

助成金を受けるための要件としまして、まずは以下の要件を満たしている必要があります。

【全コースに共通する要件】

  • 常時50人未満の労働者を使用する小規模事業所
  • 労働保険の適用事業所
  • 産業医または保健師が、産業保健活動の全部、もしくは一部を実施している
  • 産業保健活動を実施する者は、自社の使用者・労働者以外である

これらの要件を満たしている上、各コースそれぞれ特有の要件を満たしている必要がありますので、これからそれぞれのコースに必要な要件を見ていきましょう。

【産業医コース】

  • 平成29年以降、産業医要件を備えた医師と職場巡視、健診異常所見者に対する意見聴取に保健指導等、産業医活動の全てもしくは一部を実施する契約を新たに結んでいる

【保健師コース】

  • 平成30年度以降、新たに保健師と健診異常者や長時間労働者等に対する保健指導、高ストレス者に対する健康相談や健康教育等、産業保健活動の全てまたは一部を実施する契約を新たに結んでいる

【直接健康相談環境設備コース】

  • 産業医と産業医活動の全てまたは一部を実施する契約をしているか、保健師と産業保健活動の全てまたは一部を実施する契約のいずれかに、契約した産業医か保健師に、労働者が直接健康相談できる環境を設備する条項を含め、平成30年度以降新たに締結している

申請の主な手続き

こちらをご覧の方は産業医設置をご検討されている方が多いと思いますので、産業医設置に伴う申請手続きの流れを見ていきましょう。

  1. 産業医と契約をする
    まずは産業医と契約をするところからスタートします。
  2. 産業医活動を実施する
    産業医が契約に基づいた産業医活動を実施します。
  3. 1回目の支給申請をする
    必要書類を添え、労働者健康福祉機構に助成金の支給申請を行います。
  4. 2回目の支給申請をする
    1回目の申請と同じように、必要書類を添えて労働者健康福祉機構に支給申請を行います。

必要な書類

助成金申請には複数の書類が必要となりますが、量が多いため漏れに注意しましょう。

  1. 「小規模事業所産業医活動助成金支給申請書」
  2. 産業医活動または産業保健活動に関する契約書の写し
  3. 産業活動実績報告書
  4. 半年間の産業医活動実施期間に対する費用の領収書の写し(産業医要件を備えた医師か、保健師の支払い金額を明らかにする書類の写し)
  5. 医師や保健師であることを証明する書類の写し
  6. 事業所の労働保険概算に確定保険料申告書等の写し
  7. 「小規模事業所産業医活動助成金支給申請チェックリスト兼同意書」
  8. 労働保険一括納付に関する証明書(該当事業場のみ)
  9. 振込先の通帳等
  10. 84円切手を貼付した事業所宛ての返信用封筒

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産業保健に関する助成金

労働者健康安全機構では、事業所で働く労働者たちの健康管理などについて、事業者や産業医などの産業保健関係者が実施する産業保健活動を支援しています。

それにより労働者の健康を確保すると同時に、小規模事業所の事業者と労働者に対する産業保健サービスを提供して、労働者の健康確保を目的とした事業をしています。
その事業の一部として平成27年度より「ストレスチェック助成金」がスタートしました。

そして平成29年度からは産業保健関係助成金として、「職場環境改善計画助成金」と「ストレスチェック助成金」、「心の健康づくり計画助成金」と「小規模事業所産業医活動助成金」が実際に実施されました。

こちらはいずれも、厚生労働省の産業保健活動総合支援事業の一環として行われている制度です。
小規模事業所産業医活動助成金については先ほど述べたので、次にほかの産業保健関係助成金について説明します。

職場環境改善計画助成金

職場環境改善計画助成金とは、ストレスチェックの実施後に集団分析結果から職場環境改善計画を作成して、それを実施した際に受けられる、指導費用の助成金のことです。
またこの助成金には、以下のコースがあります。

・Aコース

事業主が産業医や産業カウンセラーの指導を基に職場環境改善計画を作成し、それを実施した場合に助成金を受け取ることができます。

・Bコース

事業主が、産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言や支援に基づいて、職場環境改善計画を作成し、それを実施した場合に助成金を受け取ることができます。

・現場建設コース

建設業の元請事業者が、各都道府県の産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言や支援に基づき、職場環境改善計画を作成して実施した場合、負担した機器や設備搬入費用の助成を受けることができます。

AコースとBコースの違い

AコースとBコースはそれぞれ指導・支援を受ける対象が異なりますが、それに伴い受給金額・受給要件も異なります。

【受給金額の違い】

・Aコース

1事業所当たりの上限額は100,000円となります。
機器や設備購入費は上限費50,000円となり、こちらは単価50,000円以下のもので1回限りの助成となり、100,000円を下回る実費金額の場合は実費額が助成金額となります。

・Bコース

1事業所当たりの上限額は50,000円が上限で、単価50,000円以下のもので将来に渡り1回限りの助成となり、実費が50,000円以内の場合は実費額が助成金額となります。

【受給要件】

・Aコース

  1. 労働保険の適用事業所
  2. ストレスチェック実施後の集団分析を実施している
  3. 平成29年度以降、専門家と職場環境改善指導に関わる契約をしている
  4. ストレスチェック実施後の結果分析に加え、専門家から管理監督者による日常職場管理で得られた情報や労働者からの意見聴取で得られた情報、産業保健スタッフにより得られた情報も含め、職場環境の評価を受け、改善項目につき指導を受けている
  5. 専門家の指導に基づき職場環境改善計画を作成し、計画に基づいた職場環境改善の全部もしくは一部を実施している
  6. 専門家による職場環境改善計画に基づき、職場環境が改善された確認を受けている

・Bコース

  1. 労働保険の適用事業所
  2. ストレスチェック実施後の集団分析を実施している
  3. 平成29年度以降、新たに事業所訪問をしたメンタルヘルス対策促進員によるストレスチェック実施後の集団分析結果の見方、集団分析結果を踏まえた職場環境改善手法について助言・支援を受けている
  4. メンタルヘルス対策促進員の助言・支援を受け、職場環境改善計画を作成し、それに基づき職場環境の改善を実施している
  5. メンタルヘルス対策促進員が職場環境改善計画に基づき、職場環境の改善が実施されていることを確認している

受給までの流れ

受給までの流れは、以下のようになっております。

  1. ストレスチェック実施
    ストレスチェック後は集団分析をします。
  2. 職場環境改善計画の作成
    Aコース:集団分析結果を踏まえ、専門家の指導に基づき作成します。
    Bコース:メンタルヘルス対策促進員の助言や指導に基づき作成します。
  3. 職場環境改善計画の実施
    職場環境改善計画に基づき、労働時間や勤務体系、物理化学的環境の改善や相談窓口設置等を実施します。
  4. 職場環境改善計画助成金の支給申請
    Aコース:必要書類を添え、専門家の費用や機器と設備購入の費用につき申請をします。
    Bコース:必要書類を添え、機器・設備の導入費用について申請をします。
  5. 助成金支給決定通知の受け取りと助成金の受領
    通知が届いた後に助成金が振り込まれます。

(参考情報:https://mitsucari.com/blog/workplace_improvement_subsidy/

ストレスチェック助成金

ストレスチェックは社員のストレス情報を知るためにとても重要なものですが、次にストレスチェック助成金について触れていこうと思います。

ストレスチェック助成金とは、労働者数50人未満の事業所がストレスチェックを実施し、チェック後に結果に基づきながら医師による面談や指導を行った際に、事業所が受けられる助成金のことをいいます。
対象となるものはストレスチェックにかかる費用と、ストレスチェック後の面談や指導にかかる費用になります。

  • ストレスチェックの実施:従業員1人当たり上限額は500円になります。
  • ストレスチェック実施後の医師の指導など:1回につき21,500円が上限額で、回数の上限は3回までになります。

産業医は必要に応じてストレスチェック後に労働者に指導をしながら、同時に事業所側に報告をする必要もあるので、このストレスチェックの役割もまた大きいといえるでしょう。

助成を受けるまでの流れ

それでは、ストレスチェック助成金を受けるまでの流れをざっくり見ていきましょう。

  1. ストレスチェック導入準備
    実施方法は従業員に事前通達する必要があります。
  2. ストレスチェック実施
    実施対象期間内に、質問票やITシステム等を用いて実施します。
  3. 面談指導の実施
    従業員より面談希望の申し出があった場合は面談の機会を設け、面談後は必要に応じ就業上の措置をしていきます。
  4. ストレスチェック助成金の申請
    ストレスチェック実施後、独立行政法人労働者健康安全機構に助成金の受け取り申請をします。

(参考情報:https://sangyoui-navi.jp/blog/7

心の健康づくり計画助成金

心の健康づくり計画助成金

心の健康づくり計画助成金とは、事業所が各都道府県にある産業保健総合支援センターにあるメンタルヘルス対策促進員の助言や支援によって、心の健康づくり計画を作成し、実際にメンタルヘルス対策を実施した場合に助成を受けられる制度になります。

こちらは、一律で10万円支給されるようになっています。心の問題は年々深刻化しています。

そのため事業所は労働者に対して、ストレスチェックを含めたメンタルヘルスのケアを積極的に推進する表明をして、この心の健康づくり計画やストレスチェックの実施方法に関して考えていく必要があります。

とくに現代社会では、長時間労働や心の問題が深刻化しています。こういった問題を放置しないためにも、助成金制度を活用することが大切といえるでしょう。

そしてただ助成金を受けるだけではなく、より優秀な産業医を選任することが、問題解決に第一歩につながる可能性が高いので、有能な産業医を見極めることが重要になってきます。

助成を受けるための要件とは

心の健康づくり計画助成金を受けるために必要な要件について見ていきましょう。

  1. 労働保険の適用事業所
  2. 登記上の本店または本社機能を有する事業所(個人事業主の場合、開業届の写しが必要)
  3. 訪問したメンタルヘルス対策促進員より助言・指導を受け、平成29年度以降新たに「心の健康づくり計画」を作成している
  4. 作成した「心の健康づくり計画」を労働者に通知している
  5. 「心の健康づくり計画」に基づいた具体的なメンタルヘルス対策を実施している
  6. メンタルヘルス対策促進員から「心の健康づくり計画」に基づき、具体的なメンタルヘルス対策が実施された確認を受けている

(参考情報:https://sangyoui-navi.jp/blog/248

助成金を使って産業医を選任する際の注意点

助成金は便利なシステムですが、一方で、助成金を使って産業医を選任する際には様々な注意点が挙げられます。
それはどういったものになるのでしょうか、これから見ていきましょう。

助成金申請のタイミングは決められている

それでは、産業医を選任する際に助成金を受けられるケースについて、改めて見ていきたいと思います。

・助成金申請には、活動実績が必要

小規模事業場産業医活動助成金制度は、産業医の要件を備えた医師と、産業医活動の全部又は一部を実施する契約を締結し、実際に産業医活動が行われた場合に実費を助成する制度となります。
そのため、産業医が産業医活動の全て、もしくは一部を実施した記録が必要となりますので、産業医活動をした記録がない場合は、支給されないシステムとなっております。

それ以外の制度につきましても、実際に活動についての計画を立て、周知をし、実施したことで支給される制度となりますので、活動実績や必要書類が揃っていることが大前提となります。

助成金は、適切に実施した記録があることで受けることができる制度となりますので、実施前のタイミングで申請することはできません。
申請するためには、実施した実績や作成された書類が必要となってきますから、活動実績やそれに必要な計画や適切な行動をしたかどうかにより、助成金を受けることができるか明暗が分かれます。

・助成金には申請時期もある

同時に助成金制度には、実施する時期や申請する時期が設定されておりますので、助成金対象となる時期を事前に確認しておく必要があります。
助成金を申請しようにも、申請時期が過ぎていれば対象外となってしまいますので、申請時期に申請するためにも事前に確認をし、申請は該当時期に速やかに行うことが大切です。

・申請期限も存在する

その他の注意点としまして、ストレスチェック助成金は、実施した半年以内に申請する必要がありますので、実施後は速やかに申請する必要があります。
助成金の申請をご検討の際には、対象ケースはもちろんですが対象期間や申請期間、提出期限などについても把握しておくようにしましょう。

助成金は申請から取得までにタイムラグが発生する

助成金の申請をしたからといって、すぐに助成金が得られるわけではありません。
例を挙げますと、失業保険や手当金、返金対応なども様々な手続きがありますので、申請をして今日明日に取得できるわけではなく、タイムラグが発生します。
当然ですが、助成金も当然タイムラグの発生が発生しますし、新たな助成金も加わると、それだけ申請件数も増加し、申し込みから支給まで6ヶ月以上の時間を要するケースも考えられます。

小規模事業所産業医活動助成金は、半年に1度支給されるため、申請ごとに書類作成・提出が必要となります。
そのため、産業医活動をスタートした半年後に申請を出すことができますが、当然ですが産業医を設置してから半年間は、助成金を受けることはできません。
その際に産業医に支払うための報酬は、助成金を受けることができないため、事業所負担となりますが、設置から半年が経過して申請を出し受理されることで、助成金が発生します。
助成金を受けるためには初期段階で、約1年程度の時間を要すると見込んでおいた方が良いでしょう。

助成金を申請したが、通らない可能性もある

助成金を受けるためには、必要な要件を満たす必要がありますが、そのためには実際に活動をし、その記録を残すことは当然大切になってきます。
けれどもそれ以外にも様々な要件が存在しますので、助成金を受けるために必要となることを、事前に確認しておくことが、スムーズに助成金を受けるためにも大切なこととなります。
先ほども明記しましたが、助成金の申請時期もありますので、申請時期に該当しない時期に申請すれば、審査を通る以前に対象外と弾かれてしまいます。

助成金の申請が通るためにも、労働者健康安全機構の「助成金の手引き」を熟読し、内容について理解された上で申請することが大切です。
記載漏れや記載誤りのないよう、注意することも当然必要になってきますし、計画書の作成にも、指定された要素を含めることが求められますし、計画書に沿った実施をする必要があります。

助成金を申請するためには様々な準備段階を踏まえる必要があり、決して安易なことではありません。
助成金の申請をお考えでしたら、受給に必要な要件を満たしているか、提出書類も必要な項目の明記がされているか、活動実績も受給要件を満たしたものか確認しておきましょう。

従業員が増え助成金対象外になったとき、コストが格段に増える

助成金は、産業医選任義務のない小規模事業所にとって、実に手厚い制度となりますし、小規模事業所産業医活動助成金やストレスチェック助成金は、小規模事業所だからこそ活用できる助成金といえます。
一方で従業員が増加したことに伴い、助成金対象から外れるケースも考えられるでしょう。

従業員の増加は企業が発展する上で喜ばしいことですが、一方、助成金対象外となったことでコストが格段に増えます。
従業員が50名以上となりましたら、その時点で産業医の選任・設置義務が発生しますので、小規模事業所産業医活動助成金とストレスチェック助成金の対象から外れます。

そうなった場合は当然助成金を受けることができなくなり、産業医への報酬を事業所で支払うこととなりますので、従業員が近々50名を超えそうな事業所は、コストが格段に増えることを頭に入れておきましょう。

当然ですが助成金も制限があり、助成金受給の要件を満たした事業所の場合も、上限に達した時点で受給対象から外れます。
小規模事業所産業医活動助成金は1事業所当たり2回限りの助成となりますので、3回目以降からは助成金対象外となります。

職場環境改善計画助成金と心の健康づくり助成金は、1事業所当たり1回限りの支給となり、ストレスチェックは1事業所につき年に3回の支給となります。
助成金の受給制限に達した時点で、次回からコストが増加することも覚えておけば、コストが増加した際に慌てることもないでしょう。
それ以外にも助成金制度につきまして、詳しく知りたい方は、労働者健康安全機構の助成金についてのページを参考にされてみてはいかがでしょうか?

労働者健康安全機構:https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1389/Default.aspx

助成金を使って産業医を選任することは、とても素晴らしいことですが、一方で様々な注意点もあります。
これまで助成金を申請したことのない場合ですと、色々戸惑う場面や把握できない点もあるかもしれませんが、分からないことは1つ1つ尋ね、確認していくことが大切です。
小規模事業所で助成金を活用して産業医を選任するためにも、事前に助成金制度や受給対象、必要な記録や書類について確認しておきましょう。

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それもそのはずです。

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事業所にベストマッチングした産業医を設置して、事業所の労働環境の向上とともに労働者の健康状況の向上を目指すことが大切です。

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またもしも産業医を替えたい場合には無償で対応しているので、困ったことがあれば何でもご相談ください。

全国に対応

産業医クラウドは全国に対応しているので、都心以外に事業所を構える企業の方はもちろんですが、ほかの紹介サービスで断られてしまった場合も一度ご相談頂ければと思います。

まとめ

いかがでしたか。
このように、小規模な事業所にも産業医を設置するための助成金制度が色々あることがわかりました。

とくにメンタルの病気は周りはおろか、本人でも気付きにくい分、深刻です。
けれども健康第一なのは、大きな企業でも小さな企業でも変わりません。

せっかく受けられる制度があるのなら、これまで産業医を選任していなかった小規模事業所も助成金制度をフル活用することで、今後のより良い事業所づくりを検討してみてはいかがでしょうか。

労働者たちがいなければ事業所は成り立ちませんので、労働者たちの健康管理をしっかり行うことが大切です。
そしてより素晴らしい産業医を選任するためのお手伝いを、産業医クラウドができれば幸いです。

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